試験の結果
試験の日になってしまった。各々が今のベストを尽くす。試験内容は4ページの漫画を描く事である。恋はなんとか時間内に描ききった。試験結果発表の日。
「恋!」
「心ちゃん。」
「あった!私の名前あったよ!恋は?」
「あ、えーと……」
自分の名前を探す。見つけた。
「あったよ!」
「やった!2人ともなんとか合格だね!」
「恋野!」
「明石君?」
「聞いてくれ恋野……」
「え?」
「俺……名前無かった(泣)」
「「ええ?!」」
「ほ、本当に?」
「ありゃー、ドンマイ!」
心がそう言って励ます。
「そんなー!」
「明石君、追試を受ければなんとかなりますよ!」
「だよな!頑張る!」
そう話していると何やら向こうの方が盛り上がっていた。
「すっごいよね!」
「うんうん!すごい!」
「なんでだろう?」
「恋!あれだよ!」
「へ?」
心が指さしたのは満点を取った蒼井優だった。
「ええ?!蒼井君が1位?!」
「そ!そうだよ!すごいよね!」
「恋野さん!」
「あ、蒼井君!1位おめでとう!」
「いえ、私なんてまだまだ……」
「ううん!すごいよ!1位だもん!」
「恋野さんのおかげです。」
「へ?」
「恋野さんが漫画を描いた事がないって言ってくれたから肩肘張らずに描けたんです!」
「そ、そんな私は何も……」
「恋野さん!今度一緒に漫画を描きましょう!」
「!」
「じゃ!」
「あ……」
「何何?恋モテモテじゃん?」
「ち、違うよ!そう言うのじゃないってば!」
「だー!くっそ!なんで俺の漫画がこんな低い点数なんだよ!」
「!あれは……」
「ふざけるな!」
「倉木君!」
「ああ?」
「どうしたの?騒いで……」
「俺の点数が低いんだよ!」
「……だいたい原因は分かってるはずだよ。」
「はぁ?!お前まで俺の漫画を貶すつもりかぁ!」
「違っ……」
「くそっ!次の試験では勝負だ!俺が勝ってやる!!」
そう怒鳴って倉木は去っていった。
「え、あの!ええ?!」
「恋、本当にモテモテだね。」
「心ちゃん勘弁してよぉ……」
「冗談だって……」
「恋野!」
「あ、静原君!」
「俺合格してた……恋野は?」
「私もだよ!静原君合格おめでとう。」
「恋野もおめでとう。今度一緒にすばるについてもっと語り合おう。」
「う、うん!」
「じゃ!」
「…………」
「恋、マジでモテすぎでは?!」
「違うってば!」
そしてふと目につく。彼の名前が。
紫之宮君……。2位だ。すごいなぁ。そう思っていると目の前を紫之宮が通る。
「あ、紫之宮君!」
「……何?」
「あ、2位おめでとう!」
「何が……おめでとうだよ。」
「へ?」
「1位じゃなきゃ意味がないんだよ!!」
そう怒鳴って紫之宮は去っていった。
「何あれ?感じ悪い!」
心がそう言う。
「……私のせいかも。」
「はぁ?恋のせいじゃないよ!成績の事は自分の責任じゃん?」
「いや、私が余計なことを言ったから怒鳴られたのかも……」
「恋は悪くないよ!」
「……心ちゃん。ありがとう。」
「いえいえ!」
風が吹く。温かく陽気な春風なのに、恋には少し物悲しい冷たい風に感じた。




