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漫画の王子様☆  作者: ユキア


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2/12

描いたことのない自分

 入学式の次の日、登校する恋。恋が登校すると門の所でとある青年にぶつかった。


「きゃ?!」

「うわっ!」


 恋はそのまま地面へと派手にダイブする。


「いたた……」

 相手も地面にダイブして痛そうにしている。


「ごめんなさい!」


「いや、俺も前見てなかったからさ!ごめんな!て、遅刻遅刻!」


「あ、本当だ!急がないと!」


 2人とも同じ教室へと入っていった。


「同じクラスだったんだな!」


「そうですね!」


「俺、明石満!好きな漫画はギャグ漫画!よろしく!」


「私は恋野恋です!こちらこそよろしくお願いします!」


「どんなジャンル描くの?」


「えーと、一応恋愛漫画を描きます!」


「へー!いいじゃん!今度見せてよ!」


「あ、でも、人に見せられるものでは……」


「そんなの見せて見なきゃ分からないだろ?」


 なんて話しをしている間にホームルームが始まった。


「はい!雅ちゃん降臨!皆にお知らせがありまーす!入学後のテストを行うわよ?」


「え!テスト終わったのにまたテストかよ?」

「最悪ー!」


 なんて教室はざわめいていた。雅がそれを制す。


「はいはい!文句言わない言わなーい!このテストの上位者にはなんと!編集者に原稿を見て貰えちゃうのよ?!」


「!?」


 教室は一気に盛り上がった。


「上手く行けばデビューも夢じゃないわ!じゃ、話しは終わりー!」

 と言うと雅は教室から去った。扉の前で雅はつぶやく。

「まっ、そんなに簡単な話じゃないんだけどね!」

 雅が去った後の教室は盛り上がっていた。



「俺の漫画にアドバイス貰えるかな?!」

「まさかこんなに早く原稿見て貰える機会がくるなんて!」



「恋!ねえ!凄いよね!」


「そうだね!心ちゃん。でも、私、……」


「?恋?」


「恋野!さっきの話し凄いよな!」


「あ、明石くん。」


「俺の原稿も見て貰えるかな?!」


「そう、だといいね。」


「どうした?暗い顔して?」


「えと、なんでもない。ちょっと御手洗にいってくるね。」


 そう言って恋は教室を後にした。


「言えないよ……実はまだ漫画描いたことないなんて……」


 そう、入学試験はまぐれだったのだ。偶然描いたイラストを見てもらう試験だった。イラストは描ける。でも恋は漫画はまだ描いた事が無かったのだ。


「どうしよう……きゃ?!」


 曲がり角で人にぶつかった。

「すみません!」


「……別にいいけど。」


「ちっさ……」


「は?」


 そこにいた青年はまだ幼さを残していて身長が小さかった。



「あ、すみません!」


「すみませんじゃないっ?!人が気にしてることをよくも!」


「すみません!思わず……」


「喧嘩売ってる?」


「売ってないです!」

 恋が困っているとそこに心がやって来る。

「恋!」

「あ、心ちゃん!」


「なになに?どうしたの?」


「ちょっとぶつかってしまって……」


「2対1じゃ勝ち目ないな。まぁいい!僕は忙しいんだ!今度から気をつけろよ!」


「あ、はい!すみません!」


「恋大丈夫?遅いからみにきてみれば……」


「大丈夫だよ。心配かけちゃってごめんね?」


「恋が大丈夫ならそれでよし!」


 そう言って教室へと戻った。そして、帰りに帰ろうとするとまたあの小さい青年に出会う。門の前だった。恋が校門の前に来た時、何やら揉めているようだった。


「お前、ちびのくせに生意気だぞ!」


「はぁ?ちびちびうるせぇ!」


「なんだよ!やるのか?!」


 2対1で囲まれていた。


「あ……」


 恋は助けなきゃと思った。でも、怖い。もし殴られでもしたらどうしようと思うと怖かった。拳を握る。


「やってやろうじゃねーか!」

 小さい青年はそう言って拳を鳴らす。


「すみません!!」


「「「?!」」」


「先生を呼びますよ!やめてください!!」

 そういうと男達は

「ちっ……」

 と舌打ちして去っていった。


「はぁ……。」


「……お前。」


 恋は緊張の糸が切れ、脱力する。


「お怪我は?」


「ない。」


「よかったです!」


「別に助けて貰わなくても勝てた!」


「余計なことしましたか?すみません。」


「……ふんっ!」


「私、恋野恋っていいます!よろしくお願いします!」


「………倉木影司。よろしくするつもりはないけどな!」



「そ、そうですよね!私なんか暗いし、ダメですよね!?」


「……別に暗いとか言ってないけど?」


「あ、そ、そうですか?」


「くくっ!何勝手に勘違いしてんだよ!」


「あ、あはは。」


 2人は笑いあった。


「じゃ、また!」


「はい!」


 夜の帳が落ちて行く中、恋は電車に揺られながら帰路についた。


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