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俺のスキルが《冷蔵庫》なんだが。〜異世界転生したけど、スキル名が微妙です〜  作者: 村人B
三章 藤野 玄人、世界の真実を知りました。戦いたくはないです。
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44話 藤野 玄人、翌日を迎えました。②

「えーっと……フェルン?」


 俺は悶えている美少女に聞く。


「あ、ああ……って、なぜお前がその呼び名を知っている!」


 俺が答えようとすると、リビングからダークネスウルフが出てきた。


「フェルン!こっちだよ!はやくはやく!」


「––––っ!お前か、ダークネスウルフ!フェルンという呼び名を広めているのはっ!」


 フェルンは、顔を赤くしながらプンスコと怒る。かわいい。


「いいじゃんそんなこと!それより、話があるから来たんだよ!はやくって!」


「んもぉぉぉ!分かった、行けばいいんだろっ!」


 ドシドシと音を立てながら、フェルンは歩いていく。俺も、それに続いた。


「で、どうしたんだ?」


 フェルンが落ち着いてから、話を始めた。


「ああ。昨日、王や王女を交えて話さなければならないと言っただろう?その話だ。それで、話す日なのだが……」


 早いな、もう決まったのか。っていうか、キャルロットには話したのだろうか。


「十日後になった」


 わお、割とすぐだな。




 その話をしてからは、特にすることもなく、二人(二匹かも知れない)は帰っていった。


「そういえば、学校はいつから始まるんだ?」


 今から聞きにいくか。




 コンコン、と俺は職員室のドアをノックする。


「失礼します」


 えーっと……こういう時は、どなたに伺えばいいのだろうか。


 そう考えていると、目が合った先生が話しかけてくれた。


「どうしたんだい?藤野君」


 どうやら、俺の名前は割と広まっているらしい。名乗ってもいないのに、俺の名前が出てきた。


「えっと、俺、編入が決まったんですけど、いつから登校したらいいんでしょうか」


「おお、おそらくどの先生方も知っているよ、おめでとう。ええっと、いつからだったか……ああ、そうだ、明後日からだな。その日に、テストがあるよ」


 あー、聞きたくない。


「わかりました、ありがとうございます」


 俺は失礼しました、と言って職員室を出た。


 ……と、向こうから男子生徒が歩いてきているのが見えた。


「おっ、玄人じゃねえか!」


 ジャックだった。


「おはよう、ジャック」


「おっすおはよー」


 ということは、今は休み時間だろうか。


「今、授業はやってないのか?」


 そう聞くと、ジャックは小さな声で、俺だけに聞こえるように言った。


「いや、トイレって言って抜け出してきた」


 なんていうか、予想通りっていうか。


「んなことより、お前、今度王様と話すんだろ?」


 彼はいきなりそんなことを言ってきた。


「え、なんで知ってるんだ?」


「あー、フェルンから聞いたんだよ」


 ジャックも、フェルンって呼んでるのか。っていうか、その呼び名を知ってるってことは、おそらくダークネスウルフとも話したんだな。


「ま」


 そこから、ジャックは真面目な顔をして言った。


「正直、知った時は困ると思う。もしもそうなったら、俺を頼ってくれよ」


「ああ、ありがとう」


「んじゃ、俺は授業に戻るわ。もうすぐ、怪しまれる頃合いだからな」


 こいつ、サボりのエキスパートだろ。


「ああ、頑張れよ、授業」


「おう、玄人も頑張れよ。明後日テストあるしな」


「お、おう……」


 よし、街の本屋で参考書でも見てみるか……めんどいからいいや。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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