43話 藤野 玄人、翌日を迎えました。
「ふぅ…………」
俺は今、自分の部屋でベッドに寝転がっている。
このまま寝てしまいたいのだが、まだ夜ご飯の後の歯磨きをしていないんだよな……と、昼間とはうってかわって割としょうもないことを考えている。
あの後学校を出ると、記者がたくさん来ていた。先生方に協力してもらって彼等からにげ、その後ジャック達に説明して、何だかんだでもうこんな時間になってしまった。
「はぁ……歯、磨くか」
なんていうか、精神的な疲労が半端じゃない。さっきの出来事が原因じゃないってわけではないんだが……ひっ……ひっ……
「ほんっとに!筆記テストなんて聞いてねえんだよっ!」
大体、どうしろっていうんだ?まだこっちに来て一ヶ月経ってないだろ?知識なんざその辺の5歳児にすら劣るだろうよ。
「はぁ……今度こそ、歯、磨くか」
ちゃちゃっと磨いて、すぐにベッドに寝転がる。
「あ……」
その時に、今日はまだ女神様にお祈りしてなかったことを思い出した。
「女神様……今日もありがとうございました。明日も……よろしくお願いします……寝よ」
俺は直ぐに寝てしまっていたようで、翌朝はすっきりとした寝起きだった。
そして、ベッドからでて、顔を洗い終わった時。
「こんこん」
と、玄関ドアの向こうから声が聞こえてきた。こんこんって、言うものじゃないだろ。
そう思いながら、今発見したばかりのガラスを通してーードアには、だれが来たかを見れるように、小さな円形のガラスがはめ込まれているーー外を覗く。
「はーい……え、だれ?」
ドアの向こうにいたのは、俺より少し背が小さくて、眉程まで伸びた黒髪を垂らす、紫の目を持った少年がいた。
「んー?あ、そっか」
その少年は一人で納得したように手をパン、と叩くと、今度は右手でパチンと指を鳴らした。
すると、その少年は光に包まれた。
「おお……お、おお?あれ?ダークネスウルフ?」
俺は無意識にそう零す。
「はーい、せいかーい!」
完全に姿が変わったところで俺は確信し、部屋の中に入れる。
まだ信用するのは良くないかもしれないが、ま、なんかあってもどうにかなるだろ。
「お邪魔しまーす!」
俺が少年をダークネスウルフだとわかったからか、ダークネスウルフは再び少年の姿に戻った。
「そこに座ってくれ」
俺はクッションのあるところを見てそう言い、お茶を取りに冷蔵庫まで向かう。
「あ、すぐにフェルンも来るよー」
俺がお茶をコップに注いでいると、ダークネスは机に突っ伏しながらそう言った。
「え?誰って?」
「ん?だから、フェルン……あ、ええと、インフェルノウルフ」
「ああ、なるほど。フェルンって呼んでるのか。いいなそれ」
インフェルノウルフがすぐに来ると言うことを確認し、俺はもう一つ、合計三つのコップを用意する。
「はいどうぞ」
俺はそう言いながら、ダークネスウルフの前にコップを置く。
「あ、ありがとー」
彼ーーダークネスウルフは今少年の姿なので、本来もオスなんだろうーーはお茶を一口飲むと、くあっとあくびをした。
「ん、来たみたいだよ」
あくびの後、俺はそう言われ、「わかった」といい、玄関へ向かう。
外で待とうと思ってドアを開けると、「いだっ」と、声が聞こえた。
「ん?」
俺はドアの外側を覗き込むようにして見る。
「んんん〜〜〜〜…………」
そこには、額を抑えて悶絶する赤毛の美少女がいた。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ああ……三連休……カキカキすんぞ……




