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ミラージュ  作者: moka
プロローグ
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2/4

side.M

side.M


急だったとは言え、年明けすぐに引っ越しをしたのは間違いだったな。


そんな事を考えながら荷解きを済ませた。荷解きと言っても、ダンボール4つとキャリーバッグ一つの簡単なものだった。


中古で買った愛車の走行距離の累計が実家に着く間際に15万kmを超えた。


コンビニで携帯で撮影した15万kmピッタリのメーターの写真を眺めながら、天井を見上げた。


懐かしい模様に一瞬視点が合わなくなる。


実家に帰ってきたんだ…

改めて実感した。


実家に戻るのは5年ぶり。何度か顔を出す機会はあったが、この部屋で眠ることは一度もなかった。


天井の模様をぼんやり眺めていると、気分が悪くなった。実家が嫌いな訳ではない。たくさん迷惑や心配を掛けたが、両親とも仲が良い方だと思う。


理由は分かっている。


もう25歳だ。子供じゃないんだから。大丈夫。上手くやれる。自分に言い聞かせた。


気持ちを落ち着かせるためにタバコを吸いたかった。部屋で吸うのは気が引けたので、コンビニまで車を走らせる。


コンビニに置いてある無料の求人誌をめくりながら缶コーヒーをドリンクホルダーにセットした。


懐かしい地元の地名が並ぶ。

大阪で就職…仕事は何でも良かった。条件は一つだけ。車通勤が許されていること。

愛車の木目ハンドルを撫でた。


しばらくは適当なアルバイトにするかな。と思いながら最後のページをめくろうとしたが、慌ててページをもどした。


「正社員 営業

広告代理店での新規開拓営業

車持ち込み可」


これなら、この子と一緒に働ける。


すぐに電話をして、面接を受けることになった。


就職活動には慣れている。

おそらく大丈夫だろう。そんな自信があった。



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