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真夏の光 三句

真夏の光を三つ置きました。

逃げ水、陽炎、片蔭。

どれも、夏の道でふと目に入る景です。

強い季語の中に、静かな揺れが混ざる。

そんな三句になっています。

短い夏の影を、少しだけ覗いていただければ嬉しいです。


<1>

みず

おさあせかく

グラスをのぞ


【解説】

無駄だと知ってはいても、逃げ水を全力で追いかける。

それは真夏の儀礼。

目の前のグラスも、逃げ水を全力で追いかけたかの

ように汗をかいている。

覗き込む。

どうやらこいつは、捕獲に成功したようだ。



<2>

こおりまわ

グラスのそこにも

陽炎燃かげろうも


【解説】

納得はしたが、割り切れない気持ちがある。

で、いつもは使わないガムシロを入れた。

ストローで軽く回した。

もやもやとはしたが、これも完全には混ざらなかった。

そんなこともある。

そんな日も。



<3>

片蔭かたかげ

えらびてわた

大南風おおみなみ


【解説】

建物の影を選んで歩く。

真夏の道は、影の形で温度が変わるから。

強い南風が吹き抜けて、

一瞬だけ涼しさが混ざる。

南風も、この炎天ではさすがに暑いのだろう。


夏の景は、見た瞬間に心の温度が変わります。

逃げ水を追いかけたり、

グラスの底に陽炎を見たり、

片蔭を選んで渡ったり。

どれも、ほんの一瞬の出来事です。

その一瞬に、少しだけ情が混ざる。

そんな夏の揺れを三句にしました。

読んでくださり、ありがとうございました。


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