16/21
『八月』四句
八月の光と影を歩く
八月の光と影の移ろいを、四つの景として切り取りました。
にわか雨の音、白日の紅、立秋の気配、宵待草の薄紅。
季節の仕組みが、静かに一日の中を歩いていきます。
<1>
にわか雨
パントマイムの
口を読ませ
【解説】
ザーザー降りの雨音が大きくて、話す言葉が聴こえない。
まるで、口パクしながらのパントマイム。
お互い同じだとわかって、近付いて笑いあったよ。
<2>
白日に
紅艶やかにたし
百日紅
【解説】
漢字あそびの句。
白日に一つ紅を足す。
<3>
秋立てど
枝繁く葉は
知らず顔
【解説】
立秋となっても、繁っている葉は未だ、
その勢いを変えない様に見える。
しかし、今はもう葉落ち月。
確実に季節は進んでいるのだ。
<4>
相添ふと
宵待つ花の
染む朝まで
【解説】
月見草は、夜に白い花を開き、
朝しぼむ際に、はなびらに薄紅を差す。
明日、わたしがまた紅を引くまでは、
このまま一緒にいてほしい。
読んでいただき、ありがとうございました。
別サイトの企画での作品でした。




