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『八月』四句

八月の光と影を歩く

八月の光と影の移ろいを、四つの景として切り取りました。

にわか雨の音、白日の紅、立秋の気配、宵待草の薄紅。

季節の仕組みが、静かに一日の中を歩いていきます。


<1>

にわか雨(あめ)

パントマイムの

口(くち)を読(よ)ませ


【解説】

ザーザー降りの雨音が大きくて、話す言葉が聴こえない。

まるで、口パクしながらのパントマイム。

お互い同じだとわかって、近付いて笑いあったよ。



<2>

白日(はくじつ)に

紅(べに)艶(あで)やかにたし

百日紅(さるすべり)


【解説】

漢字あそびの句。

白日に一つ紅を足す。



<3>

秋(あき)立(た)てど

枝(えだ)繁(しげ)く葉(は)は

知(し)らず顔(がほ)


【解説】

立秋となっても、繁っている葉は未だ、

その勢いを変えない様に見える。

しかし、今はもう葉落ち月。

確実に季節は進んでいるのだ。



<4>

相(あい)添(そ)ふと

宵(よい)待(ま)つ花(はな)の

染(そ)む朝(あした)まで


【解説】

月見草は、夜に白い花を開き、

朝しぼむ際に、はなびらに薄紅を差す。

明日、わたしがまた紅を引くまでは、

このまま一緒にいてほしい。


読んでいただき、ありがとうございました。

別サイトの企画での作品でした。


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