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15/21

『炎天』四句

炎天の中の一涼を。

炎天の光と影、その隙間に立ち上がる涼を四句にしました。

夏の仕組みの一端を、景のままに。


<1>

枝豆(えだまめ)や

炎天(えんてん)に塩(しお)を

多(おほ)く振(ふ)り


【解説】

夕涼み、熱々の枝豆に塩を振る。

今日は暑かったので、少し余計目に振った。



<2>

片蔭(かたかげ)に

影(かげ)貼(は)るカナヘビ

背(せ)を青(あお)め


【解説】

夏の午後、日差しを避けて日蔭に入る。

先に涼んでいたカナヘビは、

身を貼るようにして、隣の蔭へ渡っていった。



<3>

逃(に)げ水(みず)消(き)ゆ

崩(くず)さんといて

雲(くも)ジェンガ


【解説】

炎天の帰り道。

一変、暗雲垂れこめ夕立の気配。

家に着くまで、

保ってくれるといいのだが。



<4>

かなかなと

炎天(えんてん)去(さ)らす

声(こえ)ふたつ


【解説】

ひぐらしの声がふたつだけ聞こえた。

窓外には影、やがて夜、いずれは闇。

夏の仕組み。


読んでいただき、ありがとうございました。

別サイトの企画での作品でした。


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