第21話 リベンジマッチ!!
「シュララララララ!!!!」
「っ!」
─シュンッ...
──ドゴォォォンッ!!
クジラの口と比べ物にならない程、遥かに大きい口を開き、私を喰らおうとする蛇。大きく開いた口は地面を抉りとって、緑溢れていた場所は一瞬で茶色1色に染まった。私は咄嗟に近場に転移して様子を見る。
「...今まで逃げてきたけどもう逃げ──っ!?」
「シュララララ!!!」
──シュッ...ブゥンンンッ!!!
油断も隙もない。自分の身体が長いことを利用して警戒する場所を広くしている。お陰でいつどこから攻撃が飛んでくるかたまったもんじゃない。
「...。」
──ザザザザザザザザザンッ!!!
──シュゥゥゥゥゥ....
鱗が硬すぎたので無理矢理切り開いたが、斬られた箇所は直ぐに修復が始まり、あっという間に完治した。
「なんという生命力...。」
「S級なんてそんなもんでしょ...。」
「...。」
「とにかく頑張ってね。ボクは見てることしか出来ないから...。」
「ん。」
「シュルルルルルルル......。シュ!!」
「ガフッ!!」
──バシンッ!!...シュンッ
─スタッ...
「...痛いじゃん。」
口に付いた血を拭いながら蛇を睨む。コイツは結構賢いようだ。しっぽでフェイントをかけて、転移先にいた私に自分の身体で攻撃したのだ。
「シュラ!!」
「2度はない。」
──シュシュンッ
恐らくだが、コイツはマナを見ているのだと思う。私が転移する時、僅かにだが転移先にマナが溢れるのだ。それを見て攻撃をしてくるのだろう。だが、それも2度やってしまえば追いつくことは出来ない。
「シュラララ!!!」
「とはいえ...」
打開策が見つけられない。ただがむしゃらに斬りつけても直ぐに回復されるのがオチだろう。
どうするべきか...。
「──ララララ!!」
「──ぇ...。」
──ドゴンッ!!!
「シュルルルルルルル...。」
「ぁ...ぅ......ごふっ...。ぅ....。」
「ねむ!!!」
意識が朦朧とする。私は何をされた...?見えない何かに上から押さえつけられた感じがしたけど...。あ、蛇がこっちにくる...。逃げられない...!やらないとやられる...!!
「ぅ...ぁぁぁぁあああ!!!!!」
「シュララララ...?」
──ブシッ!!ブシャァァァァア!!!!!
突如、蛇の首周りから血が吹き出す。何をしたか?答えは単純。剣で斬りつける工程をカットして夢で傷をつけただけのこと。だが、相当の無茶なようでマナがごっそり抜けていく感覚がした。
「シュラァァァァァァァア!!!!!」
───ズドォォォォォオオオォォオオオオン!!!!!
痛みに耐えきれずに倒れてしまう蛇。まだ生きているからトドメを刺さないと直ぐに回復されてしまう。
「...持って...け!」
そう叫び、《物質生成》で全てのマナを使用して超巨大なギロチンをできる限り、遥か上空に生成した。それを風などの影響を考慮して落下地点を算出する。それがちょうど蛇に与えた傷に収まるように落下させた。
──ヒュゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウ!!!!!
──ズドォォォォォォォォオオオオオンンンン!!!!
「シュッ───」
「──ッ!?!?」
衝撃波が動けない私を巻き込んで島全体に広がっていく。
「.........。」
「ねむ!!大丈夫!?生きてる!?!?」
「....うる...さい...。」
「は!!生きてる!!!よかったぁぁぁ!!!」
こうしてあの日の屈辱を晴らしたのだった。ちなみに、S級魔獣のマナストーンは額に着いているので地面に寝転がりながら《夢》で額から切り離した。
「......かえ...り...たい...。」
「分かった!帰ったら絶対安静だからね!?」
「...ん。」
後のことは全てヤミに任せ、私は意識の底に沈んでいった。




