第14話 世話をしてくれる人型AIロボット
今日も肋骨に響かないよう、姿勢を正しながら最終日のテストを受けた。言うまでもないがテストは簡単だった。
テストが終わり、午前中に帰る。
ふと、ゆっくりと歩きながら帰っている途中で私のスキルについて疑問に思った。
──《物質生成》はどこまで出せるのか。
もちろんそれはマナによると言われればそうなんだが、私のマナ量が相当多いらしいから具現化させたらどこまで出せるのか、ということが気になったのだ。
早く検証したいが為にちょっとだけ早歩きになってしまい、胸に痛みが走る。3日で治るって言われても痛いもんは痛い。本当に治るのか...?
私は昨日はストーカーさんがいて面白かったけど、今日はいないみたい。
今日は暇だなって思ってたけど、検証をするという目的ができたので楽しみができた。
─────
──
家に帰っきて、まず最初にするのは体を拭くことだ。さすがにお風呂には入れないからね。冷たい水でタオルを濡らして体を拭く。骨折は冷やす方がいいって聞いたことがあるから冷たい水でやってるけど今は6月下旬だからもうすぐ夏だ。だから丁度いい冷たさでひんやりしてて気持ちいい...。
拭き終わったらヤミを呼び出して包帯を巻いてもらう。得体の知れないヤミという生物に自分の上裸を見られるのは恥ずかしいけどこれは仕方がないと諦める。
「大丈夫大丈夫!ねむの体は曲線美が──いてっ!?」
「...だまれ。」
「あ、うん。」
「......よし!終わったよぉ!」
「...ん。ありがと。」
「へへ。どういたしまして!で?これから検証するんだっけ?」
「ん。ちょっと気になって。」
「そう。でも体に響くようなことはしないって約束してね?」
「ん。大丈夫。」
「分かった。ならボクからは何も言わないよ。」
「...もう既に言ってるけど?」
「それはノーカンってことで。」
「...。《物質生成》」
そうして私は《物質生成》のスキルを発動した。
まずはいつもの黒いナイフ。これは消費するマナが少なめで手頃な武器として使えるスグレモノだ。ナイフはマナの塊だからマナを霧散させることで消すこともできる。
ナイフを消した後、次に出したのは家電製品。
よく使うテレビや電子レンジ、冷蔵庫などどんどん大きな物にしていくが今のところマナが減っている様子はない。
「そりゃあそうでしょう。だって歴代最高だよ?そんなのでマナが減ってるのを感じてたら余程マナ察知能力が高いかマナが少ないかのどっちかだよ?」
「...そうだね。」
そういえばそうだった。何故か私はマナ量が1番高いらしいのだ。...あれ?なら私なんでも出せるのでは...?
「まぁ、マナが許す限り、だけどね。」
「分かってる。」
なら私の世話をしてくれるロボットとか創れないかな...?もし創れたら骨折してる私の世話を頼みたいし...。
「出来ると思うよ?」
「...。」
出来るのか...。じゃあ
「《物質生成》......うぐっ!!」
──シュィィィィンッ!
今のでマナが大半消し飛んだ気がする...。
渦を巻くようにして現れたのはパッと見普通の女性。だが、私の記憶からデータを取り出したAIロボットだ。だから私の性格に近くなっていて、めんどくさがり屋だけどちゃんと言うことは聞いてくれる子だ。...という風に設定してみたけど...どうだろうか?
「おはようございますマスター。」
「おぉ〜。出来ちゃった。」
「なるほどね〜。見た目は全く知らない赤の他人って感じだねぇ。」
「ん。私に似せるとバレた時に大変だから。」
「ふーん。」
「これからマスターの健康状態を維持します。」
「ありがと。貴女の名前は......黒奈で。」
「ねぇ。絶対見た目で決めたよね?全身黒い服着てるから黒奈だよね?ね──いたっ!!」
「別にいいでしょ。」
「...私の名前は黒奈。黒奈ですね。分かりました。」
「じゃあよろしくね。」
「はい。よろしくお願いします。」
そういって黒奈は台所へと消えていった。
「大丈夫?」
「何が?」
「マナたくさん消費したでしょ?」
「あぁ。そういえば...。」
「あの子すっごいマナ奪っていったねぇ。」
「そうなの?」
「そうなんだよ。多分マスターであるねむの健康状態を維持する為に必要だったんだろうね。」
「...ふーん。」
ひとまずこれで分かったのは中身が大事だということ。黒奈みたいに中身に最先端技術を持ってしても創りあげられないようなものを搭載しているロボットは例え小型だろうと消費するマナは凄まじいものとなるだろう。...逆に例え大きなものでも中身が無いにも等しいようなものならば消費するマナは少なくなるということ。だからナイフは無限のように出せてしまうのか。
「マスター。お昼ご飯の時間ですよ。」
「え?あぁ。もうそんな時間?」
思った以上に黒奈が優秀だった模様。...美味しい。さすが──
「自画自賛かな?」
「...。」




