第13話 探せ!野良魔法少女!
「...。」
家に帰り、あまり動かずに残りの半日を過ごす。
さっきからかった橘さんがからかいがいがあって面白いしちょっと可愛いと思ったからチャンスがきたらもう1回やろう、と心に決めスキルの練習をする。
「《物質生成》」
まずはナイフから。黒いナイフをどんどん出していき、それを《夢》で宙に浮かせていく。クルクルと回転させたりナイフ同士をぶつけ合ったり...。それを継続しているとマナが減るのを感じた。
「あぁ...ひま。」
ちょっと休憩してマナが回復してきたらまたナイフで遊ぶ。ベッドの上から動けないからこれしかすることが無いのだ。読みたい小説も今のところ無くなったし...。それもこれも全てあのS級魔獣が悪い。まさかバレるとは思わなかった。
「...次はバレないようにする。」
次にあの島に行ったら適度に狩ってアイツが勘づく前に帰ることにする。
密かに決意し、そのまま眠った。
「すぅ...すぅ...。」
「今動くとバレるから暫くは動かせないようにしないとね...。」
ヤミは政府の動きに気づいていた。
─────
──
私の名前は柊木 翼。またの名をスピード。国が運営する魔法少女省に所属する魔法少女だ。
最近、政府がある魔法少女を探している。私が言った情報によって...。
あれは少し前の話だ。
省からの出動命令を受け、たまたま近くにいた私はC級魔獣の討伐に赴いていた。
だが。
到着してみるとそこには無惨に切り刻まれたC級魔獣の姿があった。政府は私が倒したのかと聞いてきたが、私が来た時には既にこうなってたし、第一私にはここまで被害を出さずに倒すなんて芸当は不可能だ。
「──じゃあ誰がやったって言うんですか!?」
「その誰かを探してるんだろ!?」
政府の職員が言い合いをしている。それもそうだろう。C級魔獣は倒すのに少なくない被害を負うことになる。それを車1台だけの被害だけに抑えられる魔法少女なんて何処の国でも欲しがるだろう。
「マナを追跡できる魔法少女は!?」
「今連絡してる!!」
「次に現れたら勧誘するぞ!!」
「そうだな。この国の為に是非とも所属して欲しいものだ。」
もう皆躍起になってる。私も会ってみたいな...。
「──魔獣が40分後に現れます!!」
「何だって!?」
「場所はお台場!D級魔獣で形は鳥型です!!」
「分かった!帰ってきたばかりで悪いがスピード!言ってきてくれないか?」
「分かりました。」
そうして私は省を出た。
いきなりだが、魔法少女省の仕組みを話そうと思う。魔法少女省では200人を超える魔法少女が所属していて、私もその内の一人だ。そして、S級が5人、A級17人、B級50人以上、C級100人以上、D級10人以上、E級10人以上だ。
S級魔法少女の5人は東京で1番頭のいい学校に通わされていて、皆頭が良いらしい。...らしいなのは私が会ったことないからだ。
で、S級魔法少女の契約妖精はみんな上位の妖精らしく、魔獣の出現場所、魔獣のランク、魔獣の種類を1番早く察知でき、その早さは出現40分前に察知できるほど。さっきも職員が報せに来てくれた。
「私に勝る速さの持ち主などいない!変身!魔法少女スピード!《ダッシュ》!」
走りながら変身し、一気にスキルで加速する。今までに私よりも足の速い魔法少女を見たことがない。それ故にB級なのだ。
あっという間に魔獣出現地点までやって来て魔獣を待つ。
─────
──
──ドゴォォォォンッ!!!
「クェェェェェエ!!!!!」
「「「きゃぁぁぁぁああ!?!?」」」
「っ!?来たねっ!!」
叫び声を上げながら登場する鳥型D級魔獣。私鳥型は苦手なんだよね...。飛んでるし...。
《ダッシュ》は走る速さを上げるだけ。それにもう1つのスキル《空中歩き》で空中でも走れるようにするのだ。
「せぇい!!」
──ドスッ!!
「グェッ!?」
「まだまだ!!」
──バシッ!!
「グギャッ!?」
空中で加速し、その下っ腹を蹴りあげる。魔獣は天に飛ばされていくが、私もついて行き、追い越した所でさらに先を行く。そこで重力も利用して下向きに加速しライ○ーキック。
──ズドォォォンッ!
「ギャァァァア!?!?」
「「「きゃあああ!!!!」」」
下で叫ぶ人達と似た断末魔を上げながら地面に衝突した。
「くらえぇぇええ!!!」
──ズッ...ドォォォォォォオオオンンン!!!!
「グ....ェ...!」
「ぐ、ぅ...!!」
反動による痛みが痛い。もう痛すぎて語彙力がおかしくなった。頭痛が痛いと同じぐらいバカだ。でも倒せたから万事OK!
魔獣が死んでいることを確認し、私はスマホで政府に連絡。政府は特注の大型トラックで現場まで来て、死体を回収するのだ。
「後は報告だけだね!」
「そうですね。スピードさんお疲れ様でした。」
「うん。ありがとう!」
「乗っていかれますか?」
「いや。このまま走って帰るよ。」
「分かりました。では。」
職員さんを見送って私は帰る。
魔法少女省にはもう1つの役割がある。街の修復だ。魔獣との戦闘で崩壊した建物などをそういうスキル持ちの魔法少女が直すのだ。もちろん魔獣を倒した魔法少女よりは給料は低いが、それでも普通のサラリーマンよりは遥かに高いだろう。
そんな訳で私は帰った後、被害報告をするのだった。




