表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ポンコツAI『マンジュウ』と遊ぶVRMMORPG  作者: マッチョ増田
第0章 デスゲームに巻き込まれ……なかった

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
46/50

46




「家主さん!」


「は、はいぃ」


「部屋、増やしませんか!? そしたら色んな内装にできますよ!」



 栗栖は部屋を増やす、の意味が分からなかったが、女の子たちの目が怖かったので思わず頷いてしまった。そうしたら、家の外で待機していた調理師の男性プレイヤーから、【ファントムアナコンダ酒】というアイテムを渡された。それも12本。



「え……?」


「これを要石に全て飲ませると、地下、一階、二階、それぞれ二部屋ずつ増えます」


「そ、そうなんや……!」



 栗栖が驚いたように酒と調理師プレイヤーを見比べていると、なんだか嬉しそうに頷いていた。

 栗栖は早速、製作ジョブプレイヤーがああでもないこうでもないと言いながら設備を設置している工房へ向かう。神棚のような場所に鎮座する石にじゃばじゃばと酒を掛けていく。



「12本は飲み過ぎちゃうか? いくら石でも流石にアル中なるで」



 栗栖が見たところ、貰った【ファントムアナコンダ酒】は、かなり度数が高いだろう。そんなものを12本も飲んでは、ヒグマでも倒れる。まあ石は倒れようがないだろう。安定した形状なので。



「おお! 家主さん、部屋拡張するんですか!」


「え? そうみたい?」


「良いっすね! あ! 陶磁器とかいりませんか! 青磁の花瓶とか作りたいんですけど!」


「じゃあ俺、ティーセット作りますよ」


「絵付けやりてぇ!」


「いいけど、みんなイベントクエストの製作あるやろ?」


「大丈夫っす! 部品までは簡易製作でやってあるんで!」


「欄干作りましょうよ! 欄干!」


「屏風は?!」


「……クリスさん、止めるなら今のうちですよ?」


「……もう、好きにして……」



 こうしてクリスチャンの駆け込み寺は大改造をされることになった。栗栖は内装を好きに弄ってもらう代わりに、服飾師のお姉さんに理想的な高反発系仰向け用枕を用意してもらえることになった。そして外装を好きに弄ってもらうかわりに、コーラやホットドッグを貰った。



「ほな、僕映画観てきます」


「はい。こちらはうまくやっておきますので、ゆっくりしてくださいね」



 ディナンが笑顔で請け負ってくれたので、栗栖は寝室へ引っ込んだ。他のプレイヤーの盛り上がりで、6月だというのになんだか、クリスマスの映画が観たい気分だった。



「今日の映画は、レッド・ワンワンやな」



 ファミリー向けのほっこりする映画を観ることにした。もちろん心地良い枕に頭を乗せ、ポップコーンとコーラを用意して。


◇◇◇




 それからのクリスマスイベントのクエストはスムーズに進んだ。戦闘ジョブのクエストもそうだが、製作ジョブのクエストも怒涛の勢いでいままでの遅れを取り戻していった。

 栗栖が一本映画を観終わるたびに一階へ降り、窓から外を覗くと、そのたびに街にはイルミネーションや飾りが増え、住人NPCはサンタ帽や三角の謎の帽子を被っていた。

 教会の前の広場には大きなクリスマスツリーが設置され、そのツリーの飾り付けに、プレイヤーの納品したものが使われている。クリスマスツリーは伐採というスキルを持つ、木樵というジョブがクエストで用意したらしく、このツリーが用意できた段階で、最低限聖タンクローゼスの召喚は成功するはずだ、というプレイヤーの見立てだった。



「おお~……なんか、だいぶ雰囲気変わったなぁ~外も中も」



 クリスチャンの駆け込み寺は、クラフターの駆け込み寺としてフル稼働していた。よく知らない拡張された部屋は、それぞれ違うコンセプトの喫茶室のようになっていたし、店舗はなんというか……あやしい漢方を売っている雑貨屋のような内装になっていた。栗栖が用意した覚えのない謎の観葉植物や花たちが部屋を彩ったり、特大サイズのグッピーが入った水槽も置かれている。絨毯や壁に掛けられたタペストリーも栗栖には分からない美しい刺繍がされていた。タペストリーなど、栗栖は実家の仏間に掛けられている虎球団のものしか知らなかったので、新鮮だった。



「え、この水墨画みたいなんも飾るん?」


「はい、二階の寝室とか、好きなところに飾って下さい」


「はぁ……どうもありがとう……」



 栗栖は悩んだが、店舗のカウンター側に飾った。すでに何とはなくゴチャゴチャしている雑貨屋風の店舗なので、水墨画がひとつ増えたところでそう空間に違和感が出ないだろうと判断した。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ