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探偵は喋らない  作者: 犬犬太


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ストーキングの罪の擦り付け合いで、桔梗さんとの関係を聞くのが後回しになってしまった。

猪又が材木谷さんの次に関係を尋ねたのは、材木谷さんの横にいた柘植さん。柘植さんはストーキングについては、改めて認めたが、それも、好意があったからこそだと話した。それ以外に関しては、特に新しいことは聞き出すことも出来ず、ただの友人で話は終わった。

次は、仁柳さん。こちらも、先程話したストーキングについては認めたが、それ以外の事については全て否定した。こちらも、ただの友人だそうだ。

まあ、誰だって否定するだろう。認めてしまえば、殺人犯になってしまうのだから。

「最後に朴木 駿介さん、あなたと桔梗 結愛さんの関係をお聞かせ願いますか」

朴木さんか、ここで桔梗さんとの関係を誤魔化せば一気に怪しくなる。朴木さんと桔梗さんが、おそらく、恋愛関係であった証拠も、一応揃ってはいるのだ。

猪又と朴木さんの会話に耳を傾けると、朴木さんは少し疲れた様子で話し始めるところであった。

「私と桔梗さん。結愛は、恋愛関係にありました。」

朴木さんの言葉に、その場にいた被疑者達の間に動揺が走る。それもそうかもしれない。桔梗さんは自分の周りに人、特に男性を侍らす事を好んでいた様にも見えた。そして、朴木さんと柘植さんが自分を取り合い、仁柳さんが嫉妬するのも楽しんでいた所があった。そんな彼女にまさか恋人がいたとは考えてもいなかったのだろう。

「痴情のもつれ、という事はありませんか」

猪又が朴木さんに鋭い視線を向けながら問い掛ける。すると、朴木さんは、まさかそんな事は無い、私は結愛を心から大切にしていた、と畳み掛けるような返答をされた。

「なぜ、付き合っている事をオレに黙っていた。知らなかった訳では無いんだろう」

うさぎを向けると、朴木さんは一度黙り込み、そして、改めて口を開いた。

「結愛が決めた事です。彼女はああいう性格でしたから」

ああいう性格。周りから常に注目されたい、ちやほやされたい。いわゆる、"姫"と言うやつだろう。そんな事のために秘密を作られたのではたまったものじゃない。

「ストーカーの事は知っていたのか」

もう一度問いかけると朴木さんは黙って下を向いてしまった。対策は取らなかったのか、という刑事の問い掛けにも返事は無かった。

一通り四人に簡単な取り調べを終わり、次は部屋内の変化についての聴き取りらしい。特に朴木さんは頻繁に部屋へ入っていた。情報もいくらか引き出せるかもしれない。

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