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探偵は喋らない  作者: 犬犬太


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力任せに床を殴り付けた拳の痛みで少々冷静さを取り戻し、今なすべきことは何かと考え、警察に通報をする。携帯電話越しに状況の説明を求められ、それに答えながら部屋の中の様子を端から順に確認していく。少しの違和感でもあれば、それが手掛かりになるはずだ。そう、桔梗さんを殺した犯人の手掛かりに。

なぜ俺が桔梗さんが自殺ではなく殺されたと思うのか。それは、わざわざストーカー被害に遭っていると言って俺を監視に付けているところが一つ目。そして、彼女は本気でストーカーに脅えている様子だった事が二つ目。実際にストーカーを全てではないが見付けることも出来ている。そして最後に、玄関の扉に内側から掛けていた封が外されたままになっているという事だ。毎日戸締りの確認を俺は桔梗さんに行っていた。つまり、彼女が死ぬ前に会った人間がいるかもしれないという事だ。そして、その会っていた人間が帰った後に封が出来ない状態になっていたかも知れないという事。

殺された可能性はこれだけでもゼロでは無いはずだ。

警察との電話でのやり取りの後、部屋の中を軽く見回り以前入った部屋との違いを探していく。何でもいい、ほんの小さな違いでいいのだ。それが、証拠に繋がる事になるかも知れないのだから。

以前来た時の部屋の中を思い出しながら部屋の中をぐるりと見回す。大きな違いは桔梗さんの死体の側に数冊散らばった本と倒れた椅子。

リビングの方に向かうと、ダイニングテーブルに乱雑に差し込まれた椅子が一脚。そして、飲みかけのお茶が入ったペットボトルが一本。これは昨日、俺がたまたま桔梗さんにあげたものだろう。商店街のゆるキャラのシールがキャップの上に貼り付けてある。さらに見回すと、無造作に何冊も本が抜き取られバラバラに本が並べられた本棚に、ソファーの背に投げつけるように掛けられたタオルが数枚。

次に桔梗さんが首を吊っている辺りを調べようと玄関の方へと向かう。すると、目の前に桔梗さんの姿が目に入りとっさに視線を下に向ける。

首吊り死体なんて初めて見た。というか、死体なんて、親戚のお婆さんの葬式の時に見た以来で、こんなに生々しいものじゃなかったぞ。

知識としては知っていた、首吊り死体の状態がこんなに酷いものだとは思わなかった。

そのままあまり死体を見ないように動くと床や壁に不自然な凹みがいくつかあることに気がついた。本や椅子では付かない場所や数の痕だ。もちろん、もともとこんな痕が無かったという事は、盗聴器を探した時に確認済みである。何が原因でこんな痕が付いたのか、ついつい座り込んで考え込んでしまう。

じっと考え込んでいたその時、不意に玄関のチャイムがなった。警察が来たのだろうと、無言で立ち上がり、一応掛けておいた扉の鍵を開ける。ドアノブに手をやり開こうとした瞬間、そのまま相手に引っ張られる様に外へと転がり出された。

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