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異世界に転生したら蛙だった  作者: 奇天烈太郎
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第12話 生存

お久しぶりです。

随分遅れてすいません。

俺は、生き残ったみたいだ。

ファンタジーの象徴ともいえるエルフのお陰で。

この世界に存在してたんだな。


金色の長い髪に、恐ろしいほど整った顔をしている。まるで絵に書いたようなエルフだ。雪のように白い肌、宝石のように青い瞳がこちらを見ていた。 


しかし、この距離でよく俺が見えたな。今世の俺だいぶ小さいはずなんだけど。

視力良すぎないか? エルフだからか?





助けてくれたのだから、エルフさんと呼ぶことにしよう。蛙の言葉なんて通じないからどちらでも良いと思うが、俺の心情的にそう呼ぶことにしよう。



それよりも、さっき聞こえた言葉。


俺の聞き間違いじゃなければ、日本語に聞こえたんだが。



エルフさんの瞳はまっすぐに俺を見ていた。

その口がゆっくりと開かれる。


「ふむ、恐怖で固まってるみたいだな」


俺を値踏みするように観察している。その瞳には、蛙に対する嫌悪感は見受けられないから俺も角うさぎのように殺されることはないだろう。 

動けないのは、恐怖じゃなくてMP切れなんだが。



「私がいたらいつまでも動けないだろうから早々に退散するよ」


いや、出来ることなら俺が回復するまでここにいてほしいんだが。

いつもう一度あの肉食ウサギが襲ってくるか分かったものじゃない。もう少し欲を出して良いのなら俺をこのまま安全な場所までつれていってほしい。


しかし、俺の願いは叶いそうにないな。


エルフさんは、動かなくなった角うさぎに何やら呪文のようなものを唱えたあとにウサギの足に紐をくくりつけた。


「森の祝福があらんことを」


エルフさんはそう一言言うと蛙もビックリな跳躍力で木に飛びのり、去っていった。


「ゲコォ、、、」


まあ、最初から期待なんてしていなかったけどな。

命があっただけ儲けものだ。


助かって安心したからか、一気に全身の力抜けてしまった。


死ぬかと思った。

というより、ほとんど死んでいた。


今俺が生きているのは奇跡だ。


次から、スキルの検証は出来るだけ安全な場所ですることにしよう。



と思ったものの改めて考えると、この世界に安全な場所なんてない気がしてきた。

角の生えた牙剥き出しの兎やらエルフがいる世界だ。ドラゴンとかもっと凶悪なのがいても全く不思議じゃない。



剣と魔法の世界なんだ。ドラゴンがいて然るべきだろ。

そんな世界でだ。



ただの蛙の俺が生きていけるんだろうか。この世界に対応したカエル型の魔物とかならまだ希望はあったかもしれないが、こちとら日本産の可愛らしいアマガエルだ。

ついさっきもくわれそうになって死にかけたばかりだ。



魔法の試し打ちでMPが空になって動けなくなっていたってのもあるが、それを差し引いたってこの世界には危険が多すぎる。



、、、無理な気がしてきた。







「ゲコッ!」


いやいや、希望を捨てちゃダメだ。諦めたらそこで試合終了だってどこかの監督も言ってたぞ!




少しづつだが、体も動くようになってきた。

ひとまずは、ここから離れよう。


また角うさぎみたいのに襲われたりしないように安全な場所を探そう。


丁度いい穴でも、あればいいんだけどな。

穴があったら入りたい。そのままの意味で。


今の俺には身を隠せる場所が必要だ。


しかし、アマガエルって普段どこで生活してるんだろうな。

田んぼにいるイメージしかないんだが。


とりあえずは、木に登ろうかな。

陸にいるよりは何倍も安全だろう。


幸いにも、ここは森の中だ。

木はそこら中に溢れてる。


それにこの体じゃ、陸よりも木の上の方が生活がしやすそうだ。

食事にも困らないしな。


暫くは、食事しながらレベル上げに勤しむとしよう。


動くようになった体でピョンと跳ねて近くの木の幹に貼り着く。

そのままぺたぺたと手足の吸盤貼り付けながら、上の方に進んでいく。



気分は、某蜘蛛人間である。手から蜘蛛の巣とか出してみたいものだ。

小さい頃憧れたよね。


一際太い枝の上にやってきた。


うむ、安定している。

この小さい体なら、細い枝でも十分支えてくれそうだが、落ちたら怖いじゃないか。

先程死にかけたアマガエルさんは、危機管理を怠らないのだ。




ここなら地面からも離れてるし、さっきのように襲われることもないだろう。




そろそろ、雨が止みそうだ。直感でそう感じる。


『天候予知』の効果だな。


スキルがなくても、徐々に小降りになってきてるから、分かりそうなもんだけど。




雨がやんだら、『気配感知』の特訓だな。

熟練度?ってのが上がればどんどん精度もあがっていくらしいし、さっきの危険もこのスキルの熟練度が高ければ避けれたかもしれないんだ。




蛙の体からすれば、広い範囲を索敵してるつもりになってたが。大きい生き物からすれば、かなり狭い範囲だったらしい。


何故なら、さっきの角うさぎの接近に全く気付くことが出来なかったらからだ。

最低でも、半径2メートルは周りの生き物を感知出来るようになりたい。


今は体感で半径30センチくらいだ。

範囲が狭すぎる。


食事兼、レベル上げ兼、熟練度上げだ。


魔法の実験はレベルが上がって強くなるまでお預けだ。


よし、雨が止んだら行動開始だ。



誤字脱字などありましたら、報告してくれるとありがたいです。

宜しければ評価やブクマしてくれると嬉しいです。感想もとても嬉しいです!


あまり、投稿の間隔開けすぎないよう気をつけます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 周囲の描写が丁寧なところや、急に進化しないところが良いと思います。進化ももちろん楽しみです。 [気になる点] 作中に触れて頂いている通り、エルフさんが何故アマガエルに声をかけるくらい気を向…
[気になる点] 主人公のサイズってどれぐらいです? [一言] 久しぶりの更新ありがとうございます!長い間更新されなかったからやめてしまったと思いましたが杞憂だったようですね、よかったです。昨今のなろう…
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