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30話:『連術の乙女』マヤ

前回の簡単なあらすじ:

①クミンさんの紹介

②ルークは鈍感系主人公系?

(誤字じゃないですよ↑)



今回は回想回風。

しばらく視点はルークから外れる予定です。

それと作者都合で、

少し中途半端な終わり方になっています。

ご了承ください。

 ~フレデリカ視点~



 村に着いた翌朝、我々討伐隊は現在、村から徒歩で一時間、魔獣が大量発生した場所、『静寂の森』に来ている。討伐メンバーはメインのルーク・ゼネルのほかに、プロトン・ノークレッド殿、フラン殿、アリア、アリサ、マヤ、そしてネネと私を加えた計8名だ。一応これ以外にも8名の団員が来ているが、残りのメンバーはあくまでうち漏らした魔獣に対するフォローなので、実際には、非戦闘員であるプロトン殿とフラン殿を除いた6名で、任務にあたることになる。


 ーーいや、どう考えても人手が足りないのだが?

 本来、大規模な魔獣討伐というのは、国立騎士団が大人数で行うものだ。それは魔獣の強さもそうだが、数が多く、取りこぼしがあってはいけないから、という理由もある。加えて、そもそも魔獣一匹一匹が獰猛で、かなり強い。一対一ならともかく、このような多勢に無勢では、持ちこたえるので精一杯のはずだ。


 にもかかわらず、ここにいる者の誰一人として、不安に顔を曇らせている者がいない。現在徒歩で向かっているわけだが、みな足どりはいつもと変わらず、涼しげである。任務に臨む際における、もっとも良い状態だ。そのことについてはとても喜ばしい。

 しかし、ここまで士気が高いというのはどういうことだ。普段は比較的楽な仕事の時にしかやる気を見せないネネですら、真剣な表情だ。いったい何が…


「隊長?」

「はっ!」

 声に反応すると、マヤが心配そうにこちらを見ている。マヤはこの討伐メンバーにおける唯一の純粋な魔法使いで、連射速度が特に優れている。ただ、本人がかなり臆病な性格らしく、その様子を見る機会はあまりない。魔法使いとして、十分優れているのだが。

 そんなマヤも、今はとても落ち着いているように見える。この際だから聞いてみるとしよう。


「どうかしましたか?」

「いや、ここにいるみなが、とても落ち着いているなと思ってな。現にいつもびくびくしているお前でさえ、落ち着いているように見える。」

 マヤはあぁ~、と納得した風に頷き、答える。


「多分、ルークくんと一緒だからですよ。」

 そう言ってマヤは、視線をルーク・ゼネルの方へ向ける。そちらではルーク・ゼネルが、他の討伐メンバーとなにやら話している。あの中だとプロトン殿やアリアが位は上なのだが、中心となって話しているのはルーク・ゼネルだ。


「ルークくんはそこまで高い位じゃないのに。そう思っていますよね?」

 考えていたことがバレて、思わず反応してしまう。

「私たちは、それだけルークくんを信頼しているんです。」

 そう言ってマヤは、ルーク・ゼネルと出会った当時のことを話し始めた。



 今でこそマヤは、魔法の連射速度を武器にしているが、中等部入学当初は何も持たない、いわゆる落ちこぼれと呼ばれる存在だったそうだ。平民の出なため、物事を本格的に習うのは学園に入ってから。そうなると、どうしても貴族と平民の間で成績に差が出てしまう。加えてマヤは特に臆病で人見知りが激しかったようで、当時は思い悩んでいたそうだ。


 そんなとき、幼馴染で親友のアリサ(マヤの実家は、アリサの実家のお隣らしい)の紹介で出会ったのが、ルーク・ゼネルだったそうだ。アリサも入学当時は、体力以外はからっきしで、少し悩んでいた時期があったそうだが、ルーク・ゼネルと出会っていろいろと学ぶうちに、勉強にもついていけるようになった(魔法はいまだに苦手なようだが)。


 子爵とはいえ貴族、それも隣には当時から有名だったエリック・ヴェルト殿もいたため(いやなぜ?)、最初の頃は緊張していたようだが、回数を重ねるうちに慣れていったそうだ。

 ルーク・ゼネルはあまり貴族然とした風格はなく、あくまで目線は平民たちと同じで、わからない箇所を分かりやすく解説するなど、面倒見の良い性格だった。おかげで少しだけ人見知りが改善された。


 そこでの努力あってか、学問ではみるみる成長し、最初の一年の終わりには、学問では前半分に入れるようになった。

 ーーこの時、ルーク・ゼネルは次席だったようで、以降卒業までその座を奪われたことはないらしい。ん?どこかで聞いたような…


 そして中等部二年になり、もっと何か伸ばせるものはないかと考えていると、ルーク・ゼネルやアリサ、多くの友人が相談に乗ったそうだ。ここでの中心はルーク・ゼネルとアリサで、この二名が特に気を回していたらしい。この時目をつけたのが、マヤの“魔力回復速度”だった。

 マヤはこの国全体のなかでも、体内の魔力の回復速度がとてもはやく、あのマオ・ノークレッド殿を除くと最速であった。

 それを活かした何かができないか。そう思いルーク・ゼネルに相談すると、返ってきた答えが“魔法の連射”だった。


 本来、一度魔法を放つと、程度の差はあれ次の魔法を使うまでに時間がかかってしまう。ヒトは体内の魔力保有量が少なく、たとえ精霊からの助けを受けても、すぐには魔法を使うための魔力が生成できない。

 だが、魔力保有量が多い者や、回復速度がはやい者は、その時間を軽減できる。そして発動するまでの詠唱も短縮できれば、続けて放つことも可能となる。


 そこからは、ひたすらに実践を重ねたそうだ。

 この試みに興味を示したノークレッド兄妹も参加し、詠唱の簡略化、発動を早めるための魔道具の開発などを繰り返し、ついには連射に成功。そこからさらに努力を重ね、今ではこの国有数の魔法連射の使い手となり、『連術の乙女』の呼び名がつくまでになった。


 まだ臆病な性格は治らないが、ここまで来れたのは、親友のアリサと、親切にしてくれたルーク・ゼネルのおかげであるーー



「いや待て。それだけだとなぜ他のみなも落ち着いているかの説明になっていないぞ。」

 私がそう言うと、マヤは何でもないことのように言った。

「はい、ここにいるみんな、私と同じような感じで、ルークくんには感謝しているんです。」


 …それはつまり、ルーク・ゼネルという男は、少なくともここにいる10名を超える者たちを導いているということか?


「あ、それともっと現実的な理由もあってーー」



 それを聞いたとき、私は驚きのあまり、淑女あるまじき声を出しそうになった(騎士団に所属している時点で今さらのようにもおもうが)。

読んでくださり、ありがとうございました。

次回、ついに魔獣討伐開始!

お楽しみに(*≧∀≦*)



これにてとりあえず、

『投稿頻度増加プロジェクト』

は終了です。


今後の方針は、

活動報告であげたいと思います。

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[一言] 全員、フレデリカのライバルか…w
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