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ニンゲンゲーム  作者: 桐絵妃芽


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2/3

プロローグ

Tips:

これは、ほんの少し未来の話…。

 窓には夜景が映え、インテリアは高級感と上品さを兼ね備えていた。ドラマでしか見たことがないようなデスクに座るその男は、淡いゴールドの髪と鼻筋の通った端正な容姿を備えている。ただ、少し幼くも見えるその顔は、彼が日本人の血を強く引き継いでいることを感じさせた。男は悩んでいた。


 唐突に響いたノックの音で顔を上げた男は、モニター越しにドアの前にいる人物を確認し、それが自らの秘書だと認めると、デスク横にある謎の機械、それについているボタンの中の一つを押した。ドアのロックが開く音がする。そして彼はおもむろに立ち上がると、ドアの前に行き、自らそのドアを開ける。大企業の社長である彼が決してやるべきではない行い。秘書と2人の時にしか行わない、紳士的振る舞いであった。


 開いたドアの前に立っていた秘書もまた、非常に整った容姿をしていた。愛嬌を強く感じる容姿だ。いつものように彼女が礼を述べると、2人は部屋の中へと入り、デスクの手前に向かい合わせにおいてあるソファにそれぞれ座った。秘書が用件をきり出す。


珂璃磨かるま銀行の件ですが、解決しそうだという知らせが。」

「何があったんだい?」

「かつてULTIMA(ウルティマ)と呼ばれていた方が、名義を変えて活動を再開したそうです。この人物のこと、社長はご存知でしたか?」

「こっちの世界では有名だよ。彼に任せておけば間違いないだろう。すぐにでもコンタクトを…、」


 ここまで言った所で、ふと自らの腕に着けている時計を確認した。時刻は午後11時を回っている。


「流石に非常識…だね。僕らもそろそろ帰ろうか。」

「承知しました。お車の手配をしておきます。」


 もしこの時すぐに連絡していたなら、世界は、少女は動かなかったかもしれない。

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