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ネラ物語〜深き森にて、禁忌を求める孤高の魔女〜  作者: 星狼
〜森の外へ〜

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42/45

ウルフは木の実を掴み、テーブルの隅へといくつか置く。

アルクがウルフの肩から移動し、テーブルへと降り立った。

ウルフは続ける。


「ただしだ。今のレベルでは肉体の完全な生成は出来ないかもしれないが、限りなく近い肉体……新たな器を生成する……といった事は可能だと思う。俺は人間型の召喚獣も生み出した事があるので、それは証明されている。」


視線を動かし、メイニヤックとアルクの姿を確認する。

アルクは木の実を食べ始めている。メイニヤックはもう食べ終わったようだ。こちらを見ている。


確かに、ウルフの言う『召喚魔法理論』だったら、行う事は可能だろう。

犬の型のメイニヤック。鳥の型のアルク。

彼らを人型にすればいい。

暴走の危険性がない事は彼らの存在が証明している。


「ただし、ネラのは『死者蘇生』だ。より細かく解析をする必要があるんだ」


視線を再びウルフへと戻す。


ーーそう。その通り。


自分の禁忌は『死者蘇生』。

魂が同じであろうが、肉体がただの似て非なるものであるのならば、それは『死者蘇生』ではなく『召喚魔術の応用』だ。

つまり、自分は目の前にいるウルフよりも、より高度な技術が求められる。

ウルフよりも、より深い深い、深淵への奥底へと辿り着く必要がある。

底の見えぬ闇が目の前を侵食してくる気配。


ネラはワインを手に取り、一気に飲み干す。

その闇に飲まれぬように。


「つまり……私の研究は間違っていなかったのね。ただ、より深い解析が必要だっただけ……」


言葉にする。

敢えて、口にする。

この森が、聖なる森だと認識する為に。


「ああ、間違っていない」


ウルフは目を逸らさずに言う。重い言葉で。

その言葉に白き炎がまた灯る。


「そして肉体の再現にはこれだけの難題あるが、完全な死者蘇生する為にはもう一つ要素がある……それは『心』の再現だ」


魂。

肉体。

そして『心』。


また一つ、崩れた大樹が道を塞いでいる。

だが、これは可能性の命脈が尽きたわけではない。


ただの大樹なのだから。

運び退ければいいだけだ。

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