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バウンティハンター・キース。  作者: 瀬崎遊


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14/20

14 鉱山跡地に住み着いている盗賊を合同で捕まえる

 赤ん坊を狙うグアンテを捕まえてから、何故かショウが俺に付いて離れなくなった。

 一緒に行動していて邪魔にならないからついつい行動を共にしてしまっている。


「なぁ、なんで俺について回るんだ?」

「グアンテを捕まえられた極意が知りたい・・・」

「そんなものはないよ。ただあいつなら人混みに紛れるだろうと思っただけだ。それと血の匂いだな」


「血の匂いは解るんだが、俺にはグアンテが人混みに向かうと感じられなかった。フッと気配が消えて見失っちまって、気配を探ってももうどこにもいなかった」


「街から出てみろ、目立って仕方ないじゃないか。グアンテは気配を消すのが得意だった。だったら人混みに紛れたほうが身を隠しやすいじゃないか」


「なるほど。そう言われたらそうだな。理解できる」

「理解できてよかったよ。じゃぁな」

「まぁ、もうちょっと飽きるまで付き合え!!って」

「優秀なバウンティハンターはバラけて仕事したほうが世のため人のためだと思うぞ」

「まぁあ、俺も優秀だからなっ!!」


 少し照れたショウをコイツ馬鹿だなと思いながら見た。

 なんとなく東の方向が気になったから進路を東へと進めた。

 俺が進路を変えたことに気がついたショウは気を引き締めて、必死で何かを感じ取ろうとしている。


 十台ほどの商隊が襲われているのが目につく。

 俺はナイフが届く距離になってから、ナイフを三本飛ばした。

 三人が馬から落ち、落ちた奴に意識が向いている内に俺は馬から飛び降りて足元を切り裂いてやった。

 残り十九。 

 

 ショウも敵を危なげなく倒していっているのを目の端に入れ、斬りかかられたので剣でそれを受け止め、顎を撫でてやる。

 勢いのまま倒れていき、次の標的へと意識を向ける。

 十五分ほどで全てを倒して死んだやつは空間収納へ入れ、生きているやつは生き物を入れられるマジックバックへと収納した。


「ありがとうございます!!」

 商隊の警護と思われる奴に感謝され、商隊の商人にお礼だと言われて、飯を馳走になった。

 間違いなくキースが自分で用意したほうがいいものが食えるが、気持ちの問題だ。

 それと情報収集もできるので、その短い時間も大切だったりする。


 商隊長の言うには最近この辺はよく盗賊が出るらしい。

 かなりの人数がいる盗賊団で、斬っても斬っても沸いて出てくる。らしい。

 商隊長が言うには百人規模だと思うと言っていた。

 キースはマジックバックに入れた男を一人取り出して、話を聞いてみることにした。


 その男が話したのはバルウンド団と言うらしく、多分百五十人規模だと言っていた。

「お前もバルウンド団なのか?」

「俺達は違う。バルウンド団はもう少し西に行ったところからが縄張りになる。バルウンドにやられる前に先にいただこうと思ったのが失敗だった」

 悔しそうに言うので腹が立ったのでマジックバックに収納した。


「暫く一緒に移動させてもらってもいいかな?」

 商人は喜んで「是非ともお願いします!!」と頼まれた。

 先頭をショウにまかせて、俺は後方に付いて商隊は割と速いスピードで進んでいく。


 一時間程走っただろうか?嫌な気配がし始めた。

 キースは隣を走っていた奴に「嫌な気配がするから気をつけろ」と伝え、ショウの下へと馬を走らせショウにもそのことを伝えた。


 さすがに百五十人全員に襲われたら犠牲が出るよなぁ・・・とキースはのんびり思いながら、元いた位置まで戻った。

 

 嫌な気配はどんどん強くなってきている。

 ショウも気がついているだろう。

 北からこちらに向かってきている。

 俺は商隊の北側の中央に位置どってショウにもこちらに来るように指示した。


 馬の足音が地響きのように聞こえる。

 土煙を上げてこちらに全速力で走ってくるので、可哀想だが先頭を走る馬の足にナイフを投げた。

 数は五十ほどだ。


 ナイフが刺さった馬が転んで後続を巻き添えにしていく。十二〜三は潰せたか。

 それでもいずれは起き上がってくる。近づいてくる馬の足を狙ってナイフをもう二本飛ばした。

 今度も巻き込まれて何頭も馬が転がっていく。

 馬に乗り掛かられて圧死している者もいてくれ。と願いながら、ショウと二人でこちらから向かっていった。

 

 強盗のほうが慌てふためいていてキースとショウは次々と屠っていった。

 馬に乗っているやつは全員落としたので、キースは馬から降りてマジックバックに収納していく。

 残り十五かな?

「馬の下敷きになっている奴らに気をつけろ!!」


 商隊の護衛達はキースとショウの戦いを呆然と眺めているだけだった。

 ショウが倒して俺がマジクバックに収納していく。

 時折襲われるので顎を撫でたり、マジックバックを広げて待つ。

 十分掛からずに五十二人を捕まえることが出来た。


 さすがに商隊の奴らに「見てるだけじゃなくてお前らも手伝えよ!!っていうか、お前らが襲われているんだぞ!!」

 文句を言うと「すまん・・・手を出すタイミングが解らなかった・・・」と言われて、まぁ、出てきたら出てきたで邪魔だった可能性もあるので、それ以上は文句を言わなかった。


 キースは一人マジックバックから出して尋問タイムだ。

「バルウンド団か?」

「そ、そうだ・・・」

「今何人いる?」

「全員で、百七十三人と女が六十一人・・・子供が零歳から十四歳までで多分六十人前後いると思う」

「女と子供は被害者か?」

「元はそうだったが、今はもう違う。ほとんどが女達が産んだ子供だ」


 ショウに「人数が多過ぎるな。ギルドで人集めするか・・・」

「いいのがいるかは解らないぞ?」

「そうなんだよなぁ・・・おい、アジトはどこだ?」

「ライガン山の鉱山跡地だ」

「穴蔵で住んでいるのか?」

「そうだ」

「出入り口は何箇所あるんだ?」

「三箇所・・・」

「本当なんだろうな?」

「本当だよっ!!」


 キースはショウに「商隊に付いて行ったら後二回くらい襲われないかな?」「後一回くらいならあるんじゃないか?」コソコソ話して「元気な馬だけ連れてとりあえず街の方向へ向かうか?」「そうするか」と方針は決まった。


 二時間程走ったところでまた五十ほどに襲われて、一度目と同じ方法で捕まえて、男は残り六十七人となった。

「後一回襲ってくれたらなぁ〜〜」

「それは流石に無理じゃねぇ?」

「だよなぁ〜」


 街について、商隊は憲兵に二度襲われたことを伝えて、キース達に助けてもらったと説明していた。

 俺達は冒険者ギルドへ向かって、ショウに説明を任せてキースはマジックバックの中身を出していった。

 空間収納に入っている遺体も出していく。


 キースは明日になったらなんとかなるような気がしてきて、ショウにそう伝えた。

「明日になったらって?!」

「ギルドで待ってたらいい気がする。俺は今晩は宿に泊まって久しぶりにさっぱりするよ」


 ショウに稼いだ金額の半分を渡して、俺はギルドから紹介された宿へと向かった。

 ショウもキースの後を付いてきて同じ宿に部屋を取った。

 風呂に入って洗濯女に洗濯を頼んで、最後の一枚を着て市場へと出かけた。


 終い際で割引されている商品をどんどん買い込んで空間収納へ収納していく。

 グアンテを追いかけるようになってから商売の方をあまりしていない。


 空間収納に季節外れの野菜がたっぷり入っている。

 明日は半日ほど商売をするかと思い立った。

 その為に態々許可を取るのも面倒だなぁと思って、商売は諦めた。


 翌日、半日ゴロゴロとしてから冒険者ギルドへと向かう。

 ショウもキースの後を付いてくる。

 冒険者ギルドに入ると、ゼロとゼロの師匠がいた。


 キースはゼロかぁ・・・と悩んだが、ショウに状況を説明をまかせた。

 ゼロ達は「バルウンド団の二十八人を捕まえてきた」と言った。

 残りは三十九人と女と子供達。あの男が言ったことが本当だったら多分。


 ここまで数を減らしているのになんで反応がないのかが理解できない。

 それとも、穴蔵では大騒ぎになっているんだろうか?


 ゼロとゼロの師匠も共闘することになり、出入り口の三箇所で待ち構えて片端から捕まえていくしかないよな。


 出入り口には必ず二人の見張りがいるらしい。

「夜襲にするか?」

 キースがそういうと皆が頷いた。

「まぁ、その方が楽っていや楽だな」

「楽っていうか、全員が揃っているかと思ってな」

「あぁ、なるほど。昼間だと出かけているやつもいるもんな」



 俺達四人は深夜二時に鉱山に着いた。

 出入り口に立っている二人をさっさと倒して収納。

 大きな出入り口をキースとショウが、南側の入口をゼロの師匠が、北西にある出入り口にはゼロが入ることになった。

 ショウが俺と一緒な理由はマジックバックを持っていないからだった。


 ゼロの師匠もマジックバックを持っているらしいし、ゼロは一体どこでマジックバックを手に入れたのか?と一瞬疑問に思ったが今はバルウンド団を捕まえることだと、意識を切り替えた。


 三箇所の出入り口から同時に入っていき、静かに男も女も子供もマジックバックに入れていった。

 全員寝てればいいのに、最後の大広間では八人ほどの男女が起きていて賭け事に興じていた。

 通路にゼロとゼロの師匠がやってくるのを待って、四人で一斉に突入することにした。

 

 キースとゼロが投げナイフで四人倒して、後はマジックバックを広げて待ったり、掴んで入れたりして捕まえた。

 残りはいないことを確認したが頭だけは捕まえていない気がした。

 一人を引っ張り出して「頭はどうした?」と尋ねると「先週浮気がバレて、女に刺されて死んだ」と情けないことを言っていた。


 冒険者ギルドの牢屋は既にいっぱいだ。

 冒険者ギルドの監視の元、憲兵達に引き渡した。

 女子供達がどんなふうに扱われるのか解らないが、ここからは俺達の領分ではない。

 いただくものをいただいて四等分して、解散した。


 ショウはやっぱりまだ俺に付いてくる気のようだった。

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