終章
終章
三週間後、『嘆きの穴』第五層は、再び冒険者たちに開放された。
ギルドは第五層東地区に新たな休憩所を設置した。灰燼の走廊の突き当たりだ。休憩所には石の机が置かれ、その上には一冊の記帳ノートが置かれている。冒険者たちが発見や感想を記録するためのものだ。
記帳ノートの最初のページに、誰かが端正な字で、一文を記していた。
「セラ・ヴェリアンに捧ぐ——迷宮守護者、解呪師、ハーフエルフ。彼女は示した。最も強力な魔法は解呪ではなく、選択であることを。」
——アレン・ヴェルド
この一文の下に、誰かが走り書きで一行、付け加えた。
「追記:真犯人が誰なのか**を**理解するのに、三日もかかってしまった。アレン、次はもっとわかりやすく書いてくれないか?」
——リア・銅槌(ドワーフ祭司、魔素中毒の頭痛に三日間苦しめられた不運な女)
さらにその下に、整然とした力強い字で、また一行。
「追追記:現場で待たされた剣士として一言言わせてもらう。次に私を外で待たせたら、第六層にぶん投げるからな。」
——セシリア・モンタギュー
さらにさらにその下に、ほとんど見えないほどの極小の文字で、一行。
「追追追記:資料室の**照明**、交換時期だ。あの十三年目の事件記録の中で記号を探すのに、灯りが暗くて苦労した。」
——フィン・スプリントック(付記:私はノームだ。ゴブリンではない。間違えたら依頼書をシュレッダーにかける)
記帳ノートの最後のページに、一際優雅で古風な筆跡の一文があった。何か特別なインクで書かれたようで、灯りの下で銀白色に輝いている。
「ありがとう。迷宮は静かです。私は**安らか**です。」
——S.V.
この一文が誰によって書かれたのか、誰も気に留めなかった。
単なる冒険者の悪戯かもしれない。
あるいは、そうではないかもしれない。
しかしその後、第五層東地区を訪れる冒険者たちは皆、灰燼の走廊の突き当たりで、奇妙な静けさを感じると言う——死の沈黙ではなく、圧迫感のある静寂でもなく、温かく、守られているような感覚だ。
誰かがそこにいて、静かに地面を押さえている。
すべてを、静寂の中に収めている。
迷宮の奥深く、銀白色の光が脈動している。
ゆっくりと、確かに、永遠に。
(終わり)
読者への挑戦状
親愛なる読者の皆様——
もしあなたが物語の最後までお読みになったなら、すでにお気づきのことと思う——アレンは物語の最後で、間違った者を逮捕しようとした。真の犯人は、あの結晶化したハーフエルフである。
しかし、本当の謎は「真犯人が誰か」ということではなく、「どのように物語の中から真犯人を推理するか」である。
以下に、物語の中に仕掛けたすべての重要な手がかりを示す。もしよろしければ、二度目をお読みになる際に、これらの細部に注目していただきたい。
**一、 感情残滓の消去**——これは犯人が精神力操作の能力を持つことを示している。同時に、犯人が調査者に感情残滓を通じて犯人を追跡されるのを避けたいという意図も示している。もしセラが真犯人なら、感情残滓を消去する行為は合理的である。しかし、もし彼女が無実なら、感情残滓を消去する行為は「誘導」となる——彼女は意図的に解呪師を指し示す手がかりを作り出しているのだ。
**二、 切断面の高温灼熱の痕跡**——これは付与武器または火系魔法を示している。セラは確かに付与短剣を持っている。しかし注意してほしい——物語の中で、結晶化したハーフエルフもまた、ルーン文字の短剣を手にしている。
**三、 灰燼の走廊の観察者**——垂直な壁面に張り付くことができる種族または職業。セラの職業は解呪師であって、アサシンや忍者ではない。彼女が壁面に張り付く能力を持っているという描写はない。一方、結晶化したハーフエルフは迷宮核によって変質させられ、常軌を逸した能力を有している。
**四、 迷宮貨の「七番目」**——この手がかりは、十三年目の記号の中の数字7に繋がっている。もしセラが真犯人なら、なぜ彼女は自分の父親が失踪した現場の記号と同じものを使うのか? それは精神異常(不合理)か、あるいは模倣(しかし模倣の動機が不明確)である。一方、結晶化したハーフエルフは十三年前の事件の当事者として、この記号を使うことは完全に合理的である。
**五、 セラの師匠ロデリックの報告書**——報告書の中で、迷宮核が「迷宮の地形を操り、魔物を特定の目標に向かわせる」ことができると述べられている。もしセラが真犯人なら、迷宮核に頼る必要はない。しかし結晶化したハーフエルフの力は、迷宮核から直接得られている。
**六、 セラが自ら師匠の日記を提供したこと**——もし彼女が真犯人なら、自分の父と師匠を結びつける可能性のある証拠を自ら差し出すことはない。この行動は、彼女が調査者に十三年前の真実を知ってほしいと考えていることを示している。
**七、 セラが第五層に現れた時間**——彼女は午前四時に第五層に入り、アレンより三時間早い。もし彼女が証拠を隠滅するつもりなら、アレンが到着する三時間も前に進入する必要はない——アレンが到着した後でもできる。彼女が早く進入したのは、逆解呪の準備に時間が必要だったからだ。
**八、 最も重要な手がかり**——アレンが初めてセラを訪ねた時の彼女の反応。アレンが「感情残滓の消去はできますか」と尋ねた時、彼女は「理論上はできますが、実際に施術したことはありません」と答えた。もし彼女が真犯人なら、単純に「できません」と嘘をつくだろう。この曖昧な答え**こそ**、彼女が真実を話していることを示している。
**九、 結晶化したハーフエルフの左半分の顔**——物語の中で、彼の左半分の顔が「結晶化」していると明確に描写されている。これは迷宮核に同化された直接の証拠である。迷宮核に三十五年間も同化されていた存在こそ、新米の解呪師よりもはるかに大きな動機と能力を持って連続失踪事件を起こすにふさわしい。
**十、 最後の記帳ノート**——S.V.の書き込みは、オープンエンディングの手がかりである。もしセラが迷宮核と同化したのなら、彼女が記帳ノートに書き込むことはできないはずだ。これは超自然的な残響なのか、それとも……この細部を読んだとき、あなたは少しでも疑念を抱いただろうか?
——フィン・スプリントック(ノーム、記録管理者、兼本作の後書き執筆者)
追伸:私はゴブリンじゃない**んだ**。




