第15話 同じチームの仲間
「ほんと!?」
放課後。私はチセちゃんと、チセちゃんが連れてきてくれた女の子と三人で話をしていた。あ、場所はもちろん私たちの教室ね。
私は嬉しくなって、目の前の女の子…河本鈴蘭ちゃんの手を思いっきり握りしめてしまった。
「は、はい……!チセちゃんに誘われて。先輩方がこんな私でもいいなら……」
少し恥ずかしそうに言う鈴蘭ちゃん。こんな私なんて言ってるけど、めちゃくちゃ可愛いじゃん!
ふんわりとパーマがかかった長い髪、優しそうなタレ目。少しゆっくり話すその声はふわふわしてて、優しい雰囲気を作っている。
「鈴蘭ちゃん!ありがとう、これからよろしくね!」
私が言うと、鈴蘭ちゃんは「はい!」と笑った。もう、ほんと可愛い!
こんな可愛い子を誘ってくれたチセちゃんにも大感謝だね!さすが情報屋!
「ところで……創部願を出しに行かないんですか?もう六人になったんですけど」
チセちゃんが小さく右手を上げて言った。うーん、それについてはね。
「私ね、九人メンバーを集めてハイドラに出たいんだ。それで九人揃えて、創部願にみんなの名前を書いて出したいんだよね」
私の言葉になるほど、と言うように頷くチセちゃんと鈴蘭ちゃん。うん、可愛い。
「あ、そうだ。二人とも、敬語じゃなくていいからね?同じチームの仲間なんだし、タメでOK呼び捨てでOK!」
私の言葉に二人はそれぞれ「いや、私、これがデフォルトなので……」「私も敬語は抜けないですね…でも、せっかくなので、瑠奈ちゃん、て呼ばせてもらいますね!」と言った。
はー可愛い!好き!推せる!
「それより…他の方々はどうしたんですか?」
チセちゃんが聞いてくる…けど、私も
「知らない……」
花蓮ちゃんはともかく、同じクラスの颯姫と実莉は言ってくれてもいいのにさ!
「探しに行ってみます?」
困ったように笑いながら言った鈴蘭ちゃんの提案に乗って、私たちはとりあえず職員室の方に向かっていった。
「今のメンバーは六人なんですよね。瑠奈ちゃんとチセちゃん以外はみんな三年生さんなんですか?」
鈴蘭ちゃんが聞いてくる。その問いに首を振りながら「ううん、一年の子が一人いるよ」なんて会話をしていたら…
職員室前で、見慣れたボブヘアが……って、実莉!
私の気配を感じたのか、振り返った実莉が言う。
「あ、瑠奈!どうしたの?」
どうしたもこうしたも……ないよー!
「ちょっと!なんで何も言わずに行っちゃうの!」
私が文句を言うと、実莉は「この前書いた志望理由書を出しに来たの。添削はまた今度って言われていたから、すぐ済むと思って…そうしたら意外と時間かかっちゃったのよね。ごめんなさい、もう先生がコピー取り終わったからいいわよ」と言った。見ると、実莉の手には紙がある。
嘘じゃないんだよね?いや、嘘ついても意味ないから、嘘じゃない!
「ならいい!けど、今度から言ってよ?話したいこといーっぱいあるんだから!」
ぷんすこ、と怒ってみると、「ごめんね」と頭を撫でられた。むむむ……
「あら、そこの子は新メンバーかしら?話を聞きたいけど、職員室前で大勢でいたら邪魔だから避けましょ」
確かに、出入口のところで立ち止まってたら邪魔だよね。実莉の言うことに従って避けてたら……
「わっ!」
「あわ、ごめんなさい!」
ショートヘアの女の子にぶつかってしまった。女子校だから当たり前か…じゃなくて。
ぶつかってしまったその子は大量のプリントを抱えていたらしく、辺りにたくさんのプリントが散乱してしまった。
「ごめん、手伝う!」
そう言い、プリントを集めて(皆も手伝ってくれた!優しい!)その子に渡した。
「ほんとごめんね!」
「いえ、大丈夫です!ありがとうございます!」
そう言った頭を下げるその子……え、めちゃくちゃ可愛い!
そう思った私は気がついたらその子の手を握り、その子に向かって言っていた。
「あなた、可愛いね!一緒に、アイドルにならない?」
私の言葉を聞き、実莉とチセちゃんがはあ、とため息をついた。




