第11話 興味あるんじゃないの?
次の日。学校に着いた私は、思わずため息をついた。何故って?もちろん、昨日のこと。
全く、颯姫も少しは仕事をしなさいよね…まあ、本人は反省しているみたいだからいいけど。
部として承認されたときには、精一杯こき使ってやりましょ。
まあ、それは良いとして…良くはないかしら?じゃなくて。
ポスター、効果あったかしら。まあ、今は着いたばかりだし、昼休みや放課後になったら誰か来るかもね。
なんて、瑠奈ばりに呑気に過ごしていた私だけど……
昼休みは、瑠奈と颯姫と共にお昼ご飯(教室でね)。まあ誰も来ない。来たのは教科書を借りに来た他のクラスの子だけ。
そのときは、放課後になったら誰か来るかも、なんて思っていたけれど……
ただいま放課後、だーれも来ない。教室には私と瑠奈と颯姫だけ。
え?ほんとに誰も来ないの?あらら……花蓮ちゃんは後で来るとしても、誰か一人くらい興味を持ってくれてもいいのになぁ…
やっぱり、アイドルなんてやりたがらないものなのかしら。最近は性別問わずアイドル部が人気らしいけど、都会だけの話なのかな…?
「うーん、誰も来ないねー」
瑠奈がいつも以上に呑気な声で言う。言い出しっぺがこんなに呑気でいいのかしら?
「そうね、誰かさんが寝ている間に頑張ってたくさんポスターを貼ったのにね」
私が隣に座る颯姫を横目で見ながら言うと、颯姫はビクッと反応し、
「その節は誠に申し訳ございませんでした……あの、反省していますので、許してください……」
と言った。半分冗談で言ったんだけどね。
「冗談よ。それより私、ちょっと生徒玄関前のポスターを見てくるわ。誰かいるかもしれないし。花蓮ちゃんか、もしくは入部希望者が来たらいけないから二人はここで待っていてね」
少し笑いながら言うと、二人は大人しく「「はーい」」と言ってくれたので、私は教室を出て、生徒玄関に向かうことにした。
階段を降りたり長い廊下を歩いたりして、私はやっと生徒玄関についた。私たちの教室、地味に生徒玄関から遠いのよね……って、あれ?
ポスターの前に、制服を着た一人の女の子がいる!あ、女子校だから当たり前か。
それはいいとして。
肩を過ぎるくらいの長さの髪で、眼鏡をかけた女の子。身長は私より少し低いくらい(ちなみに私は百五十三センチメートル)。
なんて、その子のことを見ていたら、視線に気付いたのか、その子がこちらの方を向いた。
「わっ!」
あ、気付いてなかったみたい。でも、今気付かれたから、話しかけてみましょ。
「ねえ、ちょっといい?私、そのポスターで募集しているアイドル部の部員なんだけど、もしかしてあなたもアイドルに興味ある?」
私が言うと、その子は「ええー……」と小さく呟き(聞こえてるわよ?)、私の方を向き直って言った。
「いや、私、興味あるとかじゃないんで…いやほんと、出来心っていうか、ノリっていうか、なんか貼ってあるなーくらいのテンションで見たっていうか……」
……なんだかものすごく言い訳臭いわね。ていうか、
「それにしては随分と見入っていたようだけれど…」
私が言うと、その子は渋い顔をしたあと、強めの口調で言った。
「ええ、確かに見ていましたよ?でも、私が見入っていた理由は違うんです!」
あれ、怒ってるわね…?なんで?
こう喧嘩腰に来られると私もイラッとしてしまうのだけど。
「そうなの、ならいいわ、早く帰りなさいな」
少しイラつきながら私がそう返すと。
すぐ近くから、
「あっ、実莉ちゃん、こんにちは!」
と声がした。私が勢いよく振り向くと、そこにいたのは……
「花蓮ちゃん!!」




