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神蝕のOctahedron  作者: あさなぎ とわ


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第3話

X(旧Twitter)ヤッテマス

@towachi315



「……五月蠅いんだよ、ゴミどもが!」


吐き捨てるように呟きながら、俺は鬱陶しく絡んできた不良の顔面へと右拳を叩き込んだ。


鈍い衝撃とともに、男の巨体がアスファルトに転がる。

残りの雑魚どもが怯えた声をあげるが、正直どうでもよかった。


苛立ちが収まらなかった。


理由は分からない。ただ、全身を巡るこの『黒いエネルギー』が、いつにも増して激しく体内で疼いている。

頭の中では信じられないほどの超高速で思考が回り、目の前のゴミどもの動きなんてスローモーションのようにしか見えなかった。


俺の体に刻まれた、『白い入れ墨』が、熱を帯びるようにピリピリと肌を刺す。


「……っ、クソが……」


自分の身体の異常さと、底知れない不快感に舌打ちをしたその時だった。

空気が、異様な音を立てて歪んだ。


「───っ!?」


周囲の雑魚どもが泡を食って逃げ出す中、俺は思わず足を止めて空を見上げた。


街の空にずっと浮かんでいたあの不気味な正八面体の物体が、狂ったような眩光を放ち始めていた。

地上に降り注ぐ無数の光の粒子。それが一瞬にして視界を真っ白に染め上げる。


脳みそが焼き切れるような強烈な頭痛と、全身を引き裂かれるような転移の衝撃。


「なっ……なんだこれ……っ!」


意識が引き剥がされそうになる中、俺の右腕の『白い入れ墨』が激しく明滅した。


この呪いのような力が、あの正八面体と共鳴している……?


思考が途切れる直前、俺の脳裏に浮かんだのは、ただ一つ。


――こんなガラクタの仕掛けに巻き込まれて、家に帰れなくなったら、母さんが心配するだろ……!


クソッタレ、と悪態をついた瞬間、俺の意識は強烈な光の奔流へと飲み込まれていった――





眩い光の奔流が収まったとき、俺が足をついていたのは、見渡す限りの殺風景な荒野だった。


「ひっ……なんだここ……!」


「うそだろ、おい……!」


背後でクラスの連中が情けない悲鳴を上げているのが聞こえる。近くでは未知の機動兵器が爆音を響かせ、上空をかすめて飛んでいった。


うるさい。

頭が割れそうに痛い。


全身を巡る黒いエネルギーが、この異常な環境に反応して体内で暴れ回っている。

今の俺の頭脳は極限まで冴え渡っており、周囲の地形、上空の機動兵器の飛行軌道、そして遠くに見える巨大な軍事施設の構造まで、一目でスキャンし終えていた。


周りを見ると、御統の野郎が「みんな落ち着いて伏せろ!」とか何とか、青い顔をしながらも必死にクラスメイトの襟首を掴んでリードしようとしているのが視界の端に映った。


(……あいつ、意外と肝っ玉座ってやがるな。まぁ、どうでもいいか)


クラスの連中とつるんでサバイバルに付き合う気など、ハナからサラサラない。こんな砂漠の真ん中で足止めを食らうのはごめんだし、第一、ここに飛ばされた原因である「あの正八面体」の正体を突き止めなければならない。


「おい、お前ら! あっちに……」と言いかけた御統の声が背後で遠ざかる。

俺はクラスメイトたちが兵士どもに取り押さえられ、捕虜として連れて行かれるどさくさに紛れ、誰にも気付かれないよう素早く影に紛れてその場から姿を消した。


目的の場所は一本道だ。

この時代を牛耳る連中の総本山――先程の兵士連中の本部施設。そこに乗り込めば、このクソみたいな空間転移を解除する方法も、現代へ帰る手立も見つかるはずだ。


「……待ってろよ、母さん。すぐ帰るからな」


悪態をつきながら、俺は人間とは思えない速度で荒野を駆け抜け、国連軍本部の巨大なセキュリティゲートへと単身で突撃していったのだった。

続きが気になる方は高評価お願いシマス!

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