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神蝕のOctahedron  作者: あさなぎ とわ


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第2話

X(旧Twitter)ヤッテマス

@towachi315



――光の奔流が収まったとき、僕たちを待っていたのは冷酷な現実だった。


「ひっ……! なんだここ……!」


「うそだろ、おい……っ!」


悲鳴と怒号が飛び交う。見渡す限りの荒野、上空を切り裂くように飛翔する未知の機動兵器、そして遠くで響き渡る砲撃音。

僕たちクラスメイトが放り出されたのは、まぎれもない「戦場のど真ん中」だった。

頭上で機動兵器がすれ違い、衝撃波が地面を揺らす。このままだと、一瞬で流れ弾の餌食になってしまう。


「みんな、落ち着いて! 固まって伏せて!」


僕は普段からクラスをまとめてきた冷静さととっさの判断力で、大声でクラスメイトたちを叱咤した。


パニックで動けなくなっている連中の襟首を掴み、機動兵器の足元を避けるようにして、嗅ぎ取った微かな排気ガスの匂いや部隊の動線の方へと駆け出す。


僕の誘導に従うようにして逃げ込んだ先。そこに待っていたのは、泥にまみれ、武装を固めた一団だった。



――この戦場で戦っていたであろう、どこかの部隊。


彼らは突然現れた見慣れない制服の高校生たちを前に一瞬どよめいたが、すぐに冷徹な銃口を向けた。


しかし、僕の的確な誘導と、これ以上の無駄な戦闘を避けた判断のおかげで、クラスメイトの誰一人として命を落とすことなく、全員が生存した状態で取り押さえられた。



───もっとも、「生存した」からと言って、手放しで喜べる状況ではなかったけれど。



数時間後。


ガタガタと揺れる軍用車両の荷台から、薄暗い収容施設の鉄格子の中まで、僕たちは項垂れていた。

全員生存という最善の結果を出したはずの僕たちは、あろうことか「国連軍の捕虜」として、厳重な監視下に置かれていたのだ。


「うそだろ……助かったと思ったのに……」


「これからどうなるんだよ……」


クラスメイトたちが絶望に染まる中、僕は戦場のはるか後方、国連軍本拠地の地下にある収容施設の、どこか冷たく感じる鉄格子に手を触れ、内心で頭を抱えていた。



───可愛いお化粧も、週末の女装の予定も、ぜんぶ水の泡だ。それどころか、明日を生き延びられるかすら分からない。

(頼むから、誰か僕をこの地獄から助けてくれっ……!)

僕がそんな絶望的なため息をついていた、その頃。


裏では、いつの間にかこの場からいなくなっていた最大のトラブルメーカーが―

国連軍、そして僕らの予測を遥かに超越した「最悪の事態」を引き起こそうとしていた。


「……ハァ、マジでふざけやがって」

国連軍本拠地の指令ブロック。鉄の扉を内側から文字通り引き剥がし、不破覇道は不機嫌そうに吐き捨てた。

彼の全身を巡る黒いエネルギーが異常なまでの回転数を叩き出し、国連軍の複雑怪奇なセキュリティシステムを紙細工のようにハッキングし尽くしていく。


「俺をこんなガラクタまみれの過去に引きずり込みやがって……。こんなところで足止め食らってる暇はねぇんだよ。早くこの世界をブチ壊して、母さんの待っている家に帰りたいんだがな」


「ひっ……化け物め……っ!」


震える声で銃を構える警備兵を、不破は冷ややかな目で一瞥する。その右腕から放たれる澱んだ殺意が、周囲の空気を歪ませた。


「……五月蠅いんだよ、ゴミどもが」


低く、底冷えする声とともに不破が踏み出す。


銃弾が放たれるより早く彼の拳が空間を抉り、国連軍の誇る最先端の基地が、たった一人の暴君によって内側から崩壊していく。


御統たちが捕虜として頭を抱えているその裏で、神の右腕を宿した凶獣は、この時代のすべてを敵に回すような暴走を、たった一人で始めていたのだった。

続きが気になる方は高評価お願いシマス!

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