第26話
X(旧Twitter)ヤッテマス
@towachi315
基地の最奥、特設観測所へと続く金属製の通路に、カツカツと軽快で鋭い足音が響き渡る。
「――まったく。これだから素人の急ごしらえは困るのよ」
眩いほどの金髪をツインテールに結い、人形のように整った顔立ち――その奥に冷酷の光を宿した少女――アンネローゼ・シュミットが姿を現した。
彼女はドイツと日本のハーフであり、天才的な兵器開発の知識を持つ、響や神子たちのクラスメイトである。
アンネローゼは冷ややかな青い瞳を細め、手元のタブレット端末に表示された神子のカタシロのデータを眺めて呆れたようなため息を吐いた。
機械の限界を超えた酷使は、彼女にとって最も許しがたい愚行だった。
神子がタラップから降りてくるのを確認すると、アンネローゼはフッっと温度のない笑みを浮かべる。
「ねえ、神子。あなた、私の可愛い最高傑作のバレルを焼き切る気だったのかしら? オーバーチューンナンタラにも程があるわ。そんな乱暴な使い方をされたら、私の愛馬が泣いてしまうのだけれど」
「……アンネローゼ。文句なら後にして。背後から重装甲型の本隊が来ているわ」
神子が淡々と返すと、アンネローゼは嫌味な笑みを深めたまま、タブレットを軽やかに操作する。
「知っているわよ。だからこそ、私が出張ってきたんじゃない。――ふふ、ちょうどいい実験台だわ。前線の役立たずどもが全滅する前に、私が手ずから改良した『新規格の過剰換装モジュール』のデータを取らせてもらうとしましょうか」
金髪ロリには似合わない冷酷な本性を覗かせながら、アンネローゼは戦場を見下ろすモニターの前に仁王立ちする。
迫り来る絶望的な敵の巨体を前に、天才技術者の狂気と冷徹な算段が、新たな反撃の歯車を狂いなく噛み合わせていくのだった。
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