第25話
X(旧Twitter)ヤッテマス
@towachi315
「……来るわよ、別動隊の崩れかけた陣形を立て直そうと、敵の指揮官機が動き出したわ!」
無線越しに響く神子の声には、焦りではなく冷徹な状況分析の響きがあった。
特設観測所のスコープ越しに、彼女は敵の動きの癖――わずかに偏る重心と、機動時の微細なタイムラグを見逃さない。
超長距離狙撃モジュールからのフィードバックが、神子の神経系にダイレクトにリンクする。
『響、久慈! 敵の注意が後方の私に向いているこの隙に、前線の包囲網を中央から踏み破りなさい!』
「おう、言われなくても……っ!」
響が操るカタシロが、地表を蹴立てて一気に加速する。
神子の狙撃によって装甲を蜂の巣にされた敵の量産機群は、すでに連携を失い、ただの的と化していた。
だが、それを放置すれば再び態勢を立て直される。
響の機体は突撃剣を鋭く閃かせ、混乱する敵の懐へと一気に飛び込んだ。
一閃、二閃。
近接格闘に特化した響の猛攻が、敵の関節部を正確に断ち切っていく。
先ほどまでの防戦一方の窮地が嘘のように、戦場の主導権は完全に味方へと移行していた。
「くそっ、あんな遠くから一撃で敵を……松前、すげえよ……!」
久慈もまた、恐怖を振り払うようにスラスターを全開にし、敵の背後へと回り込んでビームライフルを連射する。
前衛の二人と、後方から全てを支配する神子の射撃。
それは、本来であれば息の合うはずのない即席の布陣でありながら、圧倒的なまでの噛み合いを見せていた。
『甘いわね』
神子の冷ややかな呟きと共に、再び大地を揺るがす轟音が響き渡る。
ズキューーーーッ!!
戦場の遥か彼方、基地の最奥から放たれた一筋の光弾が、逃走を図ろうとした敵指揮官機のシールドを正面から粉砕。
装甲の内部でエネルギー炉を直接穿たれた敵機は、反撃の暇すら与えられず、眩い閃光のなかに消え去った。
敵の指揮系統の崩壊を確認し、響は無線に向かって大きく息を吐き出す。
「これで……前方の脅威は掃討完了だな!」
『当然の結果よ。……通信を切るわ。冷却状態に入らないと、私のカタシロのバレルが焼き切れるから』
それだけ言い残すと、通信はプツリと途切れた。
だが、その背中を預けるような信頼感は、確かに前線のパイロットたちの胸に深く刻み込まれていたのだった。
続きが気になる方は高評価お願いシマス!




