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神蝕のOctahedron  作者: あさなぎ とわ


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第16話

X(旧Twitter)ヤッテマス

@towachi315



「……っはあ、死ぬかと思った……」


重い鉄扉が音を立てて閉まり、割り当てられた殺風景な4人用の部屋に足を踏み入れた瞬間、久慈は文字通りその場で床にへたり込んだ。額からは冷や汗が流れ、顔面は青白い。 シミュレーターでの凄まじい衝撃と神経フィードバックの余韻が、まだ全身のあちこちに嫌な痺れとして残っていた。


部屋の中央に置かれた無機質なテーブルを囲むように、それぞれが腰を下ろした。 顔を揃えたのは、カタシロの訓練でボロボロになった響と久慈、そして適性試練を回避して非戦闘組に回った兵藤兼丸と、影山忍の4人だった。


「御統様、今日のシミュレーターでは少々被弾が多すぎましたね。重心の移動が甘ければ、機体の受ける衝撃がそのまま神経回路に直撃します。もう少し防御の姿勢を意識なさるべきかと」


そう落ち着いた物腰で静かに指摘しながら、支給された軍用の簡易レーションを丁寧に配ったのは兵藤兼丸だった。大柄で頑強な体躯を持ちながらも、普段から院庄家の執事兼ボディガードとして仕えている彼は、どこか隙がなく礼儀正しい。麗華を支えるために非戦闘組に回った身でありながら、その表情に疲れの色はなく、むしろ同室のクラスメイトたちの状態を冷徹に分析していた。


「わかってるよ……。でも、あの巨大な鉄の塊を自分の手足みたいに動かすなんて、頭で分かってても反射が追いつかないんだって」


響は苦笑いしながら、自分の両手をぎゅっと握りしめた。 今日のシミュレーター初陣で味わった痛みは生々しく、自分が今どれほど危うい綱渡りをしているのかを思い知らせていた。


「……それにしても」


部屋の隅、影の落ちる場所に背中を預けたまま、黒ずくめの制服姿の少年――影山忍が、静かに口を開いた。 彼の気配は相変わらず希薄で、まるでそこにいないかのような錯覚を覚えさせる。


「外で暴れている不破の奴、まだ見つかっていないらしい。国連軍の管理区画のセキュリティをハッキングして、あちこちの区画を麻痺させているそうだ。ボリス司令も、予想外の『異物』のせいでかなり頭を悩ませているみたいだな」


影山のその言葉に、部屋の空気がわずかにピリッと引き締まった。 クラスメイトの一人である不破覇道が、この古代の戦場で単独暴走し、国連軍を引っ掻き回している。それが自分たちのような「前線組」や、麗華の側近として動く兵藤たちの処遇にどう影響するか、測り知れないものがあった。


「あの馬鹿が派手に暴れてくれるおかげで、俺たちみたいな非戦闘組は当分、地下の雑用か物置送りを免れているけどね……」


久慈がわずかに肩をすくめて苦笑する。 麗華やアンネローゼといった強烈な個性が集まる非戦闘組の裏でも、それぞれが生き残るための算段を始めているのは間違いなかった。


(不破は暴れ、ボリス司令は僕たちを軍の駒として利用し、新島やアンネローゼは別の思惑で動いている……。僕たちは、この狂った古代の世界で、本当に無事に元の現代へ戻れるのか?)


窓の外、鉄格子の向こうに見える荒涼とした夜空には、星々が冷たく輝いていた。 それぞれの胸に不安と野心を抱えたまま、過酷な訓練での一日目の夜が静かに更けていくのだった。


続きが気になる方は高評価お願いシマス!!!

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