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神蝕のOctahedron  作者: あさなぎ とわ


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第11話

X(旧Twitter)ヤッテマス

@towachi315


耳障りな警報音と、施設全体を揺るがすような重低音。


国連軍の管理区画を完全に封鎖したあと、不破覇道はただ一人、薄暗いメンテナンス通路を悠然と歩いていた。


「……ふん、あんなガラクタの檻に閉じ込めときゃ、当分は安全だろ」


背後でどれほど国連軍の兵士たちが慌てふためき、パニックに陥っていよう知ったことではない。不破の関心は、自分をこんな狂った戦場へと引きずり込んだ「元凶」を叩き潰し、一刻も早く現代の日常へ――母の待つ場所へと帰ることだけに向けられていた。


(こんなクソみたいな場所に長居する趣味はない。現代に戻って、母さんのところへ帰る。それだけだ)

右腕の皮膚の下で、ドクドクと不気味な脈動を打つエネルギーが、まるで生き物のようにうねる。


「神の右腕」――自らの意思とは無関係に、あるいは魂の奥底から引き出されたこの圧倒的な暴力の結晶は、オーバーテクノロジー《じだいおくれのがらくた》すらもただのオモチャのようにハッキングし、支配していた。


『警報、セクター4に侵入者。全区画をロックダウン。通路の防衛壁を――』


頭上のスピーカーから電子音声が響き渡った瞬間、前方の通路を塞ぐように、何重ものぶ厚い超硬合金製の防衛壁がガシャンと音を立てて降りてきた。国連軍が不破を閉じ込めようと、文字通り施設をブロック単位で切り離しにかかったのだ。


さらに、通路の両側から武装した兵士たちが一斉に飛び出し、銃口を向けながら叫ぶ。


「動くな! 逃げ場はない、そこでおとなしく――」


「邪魔なんだよ、どきやがれ」


不破は冷笑を浮かべ、右腕をぐっと背後へと引いた。


その瞬間、皮膚の下を這うエネルギーの脈動が臨界点に達し、周囲の空気がチリチリと微細な放電音を立てて歪み始める。右腕の輪郭が眩い閃光に包まれ、空間そのものを抉り取るような超重力の圧が通路を満たした。


――解き放て


「……『雷堂破』ッ!!」



轟音とともに突き出された右拳から、眩い熱量と破壊の奔流が螺旋を描いて爆発的に放たれた。

バキャアアアアン!!!!

物理法則を完全に無視した高密度の衝撃波が、直撃を受けた分厚い超硬合金の防衛壁をまるで紙細工のように粉々に粉砕する。破壊の余波は止まらず、通路の外側にある堅固な外壁そのものをも丸ごと丸く抉り飛ばし、古代の戦場の荒涼とした外気を一気に引き入れた。


「――っ! なんだあの火力は……壁ごと消し飛んだぞ!?」


背後で兵士たちが絶叫するが、不破は振り返りもしない。


もうもうと舞い散る砂塵と、剥き出しになった鉄骨の向こうに広がる、血と鉄錆にまみれた外の世界。不破は涼しい顔でその瓦礫の山を跨ぎ、荒野へと足を踏み出した。

誰も、かすり傷一つ負わせられない。


誰一人として、この少年の足をとめることすらできない。


「……待っててくれよ、母さん。家に戻るまで、ちょっとばかし派手に暴れてやるからさ」


ただ母の待つ日常へ帰るという強い想いを胸に抱きながら。


国連軍がどれほど厳重な防衛網を敷こうとも、最高司令官ボリスがどれほど知略を巡らせようとも、この暴れ馬の前ではただの砂の城にすぎなかった。


不破覇道は、自ら切り開いた外壁の向こう、さらなる破壊と混沌の中心へと、迷いなく足を踏み入れていくのだった。


続きが気になる方は高評価お願いシマス!!!

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