第48話
やはり大学の授業中に書くと筆が進むんですよね~。
これからもペースを取り戻して頑張ります!!
ネリッサさんから拳骨をもらい少し意識が飛んでいた中、アステルが僕の肩を揺らしているのに気づき、たんこぶをさすりながら目が覚めた。
「いてて……アステル、依頼は終わったのか?」
まだ頭がジンジンと痛む中、想像していたよりも早く戻ってきたアステルに依頼の結果を聞いてみる。
「えぇ!全く問題ないわ!」
自信のある表情からどうやら上手くいったようだ。
そういえばエリナさんたちがいたから昇級試験も兼ねていたと言っていたがそちらはどうだったのだろう。
そう思っていると、アステルがギルドカードを取り出して、明るい笑みを見せていた。
そこにはEランクと書かれていてどうやら僕の心配は杞憂に終わったらしい。
「これでやっとアレクに追いついたわ!!」
彼女の表情はどこか明るくなっていて、冒険者として成長しているように感じた。
これまで貴族社会で暮らしていた彼女が上手くやっていけるのだろうかと心配していたが、彼女の姿を見るに、逞しく成長しているようだ。
僕たちの後ろでは、フェンネルさんとブレットさんが正座をさせられてネリッサさんに怒られていた。
二人は彼女に頭が上がらないのか、下を向いてネリッサさんの説教を苦い顔をしながら聞いていた。
「依頼もしてないくせに昼過ぎから酔っぱらってんじゃないわよ!!」
「悪かったって、そんな起こることないだろ!?」
「俺は止めたんだが、フェンネルの奴が言う事聞かなくてな……。」
「おいブレット、俺を裏切るつもりか!!」
ネリッサさんが二人の首根っこを掴み、強引にギルドの外へと連れ出そうとズルズル引きずられていた。
フェンネルさんが涙目でこちらを見つめていたような気がするがきっと気のせいだろう。
僕が気まずそうに顔を逸らすとフェンネルさんは首をガクッと落として扉へと消えていった。
エリナさんは騒がしてしまった謝罪を各方面にして、黎明の扉一行はギルドを後にした。
二人になった僕たちは、一先ずギルドの酒場で席を取り、今日の出来事についてアステルから詳細を聞くことにした。
「今日受けた依頼のこと聞かせてよ。」
それからアステルが依頼でどんなことをしたのかを教えてくれた。
魔法を扱う者としての心得や、遥か高見に位置する高等技術である超越秘技について教えてもらったり、治療した人々から感謝され嬉しかったこと、そして黎明の扉のメンバーについて色々話してもらったみたいだ。
僕もフェンネルさんとブレットさんから話を聞いていたので、二人して同じことを考えていたようだ。
二人から色々な話を聞いて、僕たちのパーティーに相応しい名前が何となく浮かんできているのだ。
あとはアステルと話し合ってピッタリな名前を決めたいと思った。
アステルも帰ってきてもうやることも無いので、今日の元々の目的であったパーティー名を決めようと彼女に提案した。
「いい名前は浮かんだ?僕はアステルと相談した事と、黎明の扉の話を聞いて考えたんだけど……『世界の探求者』ってのはどうかな?初代勇者の軌跡を辿る僕たちにピッタリだと思うんだ。」
「世界の探求者……凄くいいと思うわ!私もその名前に賛成!」
よかった……アステルも僕が考えたパーティー名を気に入ってくれたみたいだ。
ブレットさんに相談して正解だったな。
まさかフェンネルさんがあそこまで絶望的なネーミングセンスだったとは思わなかった。
「俺が最初に考えた名前は『究極の冒険家だったんだけど、何故か皆からものすごく反対されたんだよな~。』」
聞いた僕でも絶対無いなと思った名前だが、流石にダサすぎると他の三人が反対して、今の黎明の扉と言う名前に決定したそうで、考えたのはブレットさんらしい。
ようやくパーティー名が決まり、僕たちはギルドの受付へと向かい、ケイシーさんにパーティー名の申請をすることにした。
ケイシーさんから書類を渡され、名前を書いていくが、最後にパーティー名を書こうとするペンが重く感じた。
この名前を記入した瞬間から、僕たちは世界の探求者としてこれから様々な冒険が待っていると思うと、ついワクワクしてしまう。
アステルも僕と同じ考えなのか、瞳を輝かせて書類に名前が書き終わるのをジッと見ていた。
「書類を受理いたしました。世界の探求者の結成おめでとうございます!ギルド一同、あなた達の活躍を期待しています!」
ケイシーさんがそう言うと、後ろで酒を飲んでいた他の冒険者たちが急にこちらを向いて、祝い始めた。
「おめでとさん!」
「これから頑張れよ~!」
「すぐ死ぬんじゃねぇぞ!」
それぞれが僕たちに言葉を投げかけて、正式にパーティーを結成したことを祝福してくれる。
急にお祭りの様な状況になってキョトンとしている僕たちに、ケイシーさんが軽く説明してくれる。
「冒険者の習わしと言うのでしょうか……新しいパーティーの門出を祝ってお酒を飲むのが伝統だそうです。私としてはお酒を飲むための口実にしか見えませんけどね。」
そう笑いながら話す彼女を尻目に祝ってくれた冒険者たちがこちらにやってきて僕たちを酒の席へと連れていく。
アステルはこんな場がはじめてで最初は遠慮気味に対応していたが、根負けしたのか他の女性冒険者と酒を酌み交わしていた。
僕にはむさ苦しいオジサン冒険者ばかりが寄ってきて、ジョッキに入った果実酒を一気飲みさせられ、飲み干すと皆から拍手をもらい、酔いが回ってきたことも相まってとてもいい気分になった。
それからしばらく酒と食事を楽しみ、夕日が見えたあたりでお開きになった。
酔っぱらってフニャフニャになったアステルを背負って僕はギルドを後にした。
アステルは思っていたよりもずっと軽く、背負っていて苦に感じることは無かったが、別の理由でずっとドキドキしっぱなしだった。
理由はあえて詳しく言わないでおくが、ただ素晴らしかったと言わせてもらいたい。
後ろでムニャムニャと言いながらよく寝ているアステルを背に、僕は宿屋へと向かう。
僕の足取りは軽く、沈む夕日はこれからの僕たちを祝福しているように感じた。
明日からは、世界の探求者として僕たちの活動が始まるのだ。
今回はキリが良いのでここまでです。
次回から大きなヤマ場に入っていきますので是非お楽しみに!!
面白いと思ったら高評価と☆そしてブックマークをお願いします!
私のやる気が猛烈に上がります。
感想や質問なども書いてくれると嬉しいです。
アドバイスや誤字は優しく教えてください。
次回でまたお会いしましょう!!




