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22話 僕らは(中篇)

ここは・・・・何処だ?


 気が付くと、俺は人ごみの中で俺は目が覚めました。

 人が行き交う。こんなに大人を見たのは初めてでした。今まで、孤児院にいたから、せいぜい見ても数十人の子供と数人の大人くらいだった。


 大きな建物が俺を取り囲んでいる。


「ルカ!何処に居るんだ!」


 俺は街を歩き始めました。

 街には、園長から教わった、『家族』と呼ばれる団体が何個もありました。


 彼らは、とても幸せそうな顔をしており、今の俺の状況とは真逆だと思いました。


「此処は・・・・王都なのか?人が多い。気持ち悪い」


 此処が噂に聞いた王都である事は、すぐに分かりました。

 ルカの事を叫んで呼びたかった。だが、此処で呼ぶのは恥ずかしくて呼べなかった。


 俺は無心にルカを探しました。だけど、ルカの姿は見つかりませんでした。

 このままずっと会えないんじゃないかとさえ思ってしまいました。


 いつの間にか、俺は地面に座り込んでしまった。


「あはっ、夏は好きかい?私は好きだな~」


 突然、女性が声を掛けてきました。


「あなたは、嫌いかい?じゃぁ、なんで家に入らずここにいるのかなぁ?」


 女性は持論なのか、ただ言いたいだけなのか。俺に一方的に話しかけてきた。

 俺は、その女性の声に釣られ顔を上げました。


「あなたは・・・・・誰なんですか?」


 俺は、立ち上り女性にもう一度、問いかけた。

 彼女は笑って首を傾げました。


「どうして、俺に話掛けたんですか?すみません、俺は妹を探しているんです」


「君の妹なら、見たよ」


「ホントなのか!?どこに居るんですか?教えてくれ!」


 俺はその女性の両肩を掴み、大声で叫んでしまっていた。

 女性は、とても綺麗な人だった。妖艶がとても似合うと言ってもいいくらいでした。


「こっち、君には面白い物が見えるからね」


 その言葉の意味は今でも分かりません。

 ただその時の俺は願っていました。この人が奴らの味方ではないことを。


 女性はゆっくりと歩き出しました。しかし、その瞬間でもルカの事が心配だった俺は、早く探したかった。


「早く、教えてくれ!ルカの場所を!」


「その前にあなたにとって家族は何ですか?」


「え!?」


 あぁ!急いでるのに!この人は何をしているんだ!?

 俺は女性の方に振り向き、急いでくれ、急げないなら場所だけでも教えろと言いました。


「そんなに急がなくても、時間も君の家族も逃げないよ」


「いやっ!そうじゃなくて!・・・・・・ハァー」


 なんだか馬鹿馬鹿しくなっていました。

 俺は、女性を無視して妹を探すことにしました。そして走り出そうとした時。


「お兄ちゃーん・・・・何処ー?」


 一瞬後ろを振り返った。何処だ。ルカが近くにいる。

 俺は必死に辺りを見回りました。だが、いません。


「気持ち悪いよー・・・・こんなに人・・・・嫌だよー・・・・」


「ルカー!何処にいるんだ!返事をしてくれ!」


 声は、何処から聞こえるのか定かではなかった。

 妹は近くにいる、それだけが今俺がいる理由でした。


「お兄ちゃーん・・・・私・・・だれ?・・・・」


 今、おかしな言葉を聞いたような気がしました。

 俺の事は分かるのに、自分の事が分かっていない。


 危険だとすぐに分かりました。


「君~。すぐに見つけないと、妹ちゃん人を殺しちゃうかもよ~?」


「どういうことだよ!?こっちは殺されかけたっていうのに、赤の他人を殺す義理なんてないはずない!」


 俺は、今までのストレスが爆発し、その女性に怒鳴り散らしてしまった、その瞬間。


 とてもつもない勢い破壊音がし、俺の近くに建ててあった建築物が爆発しました。

 人々の悲鳴と叫び声が混じり合い、その上、煉瓦や木が崩れ、肉が潰れる音が何度も聞こえました。


「キャァァァァァアアアアア!!!」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 周りから、悲鳴する人や驚きのあまりその場で立ちすくんでいる人さえいました。

 俺は、黙ってその光景を見ていた。


 すると、瓦礫の中から、人影が現れました。


「やっぱり、間に合わなかったね。さーて、数人の家族を殺した殺人鬼はこれからどうなっちゃうのかなぁ~?」


 崩れた建物から現れたのは、ルカでした。

 後ろから女性が、俺の耳にボソッと言いました。


「違う!ルカはたまたまあそこにいたんだ!」


「なら、あの妹ちゃんが持っている物はな~んだ!?」


 女性は指をルカの手に指した。

 ルカは、誰かの子供の上半身を持っていました。子供は男の子で、口からは舌が垂れ下がり目が白目になっていた。


「おい・・・・ルカ・・・・お前が持っているそれって・・・・」


「お兄ちゃん!!・・・・これね!・・・・私の新しい・・・・友達よ」

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