第2話 私は存在していた!?
クロードは一人っ子だったはずだ。これは紛れもない事実。だって前世の私が何回『君と紡ぐ運命』をクリアしたことか。全ルート攻略済み。イベントも回収率百パーセント。
クロード・シュヴァリエは一人っ子だ。少なくとも原作では。
「なんで私が妹なの......??」
考えれば考えるほど謎は深まるばかり。ならば調べるしかない。ここは貴族の家だ。探せば家系図があるはずだ。私はすぐさま部屋にある本棚に飛びかかる。
「これ?いや、違う」
「なんだこの本」
本棚が大きく、見つけるのに精一杯だ。しかもまだ幼い体だと時間がかかる。
1時間ほどかけてようやく見つかった。
『シュヴァリエ公爵家家史』
長男 クロード・シュヴァリエ
長女 エミリア・シュヴァリエ
しっかりと自分の名前が載っていた。
「いる! 私が!」
普通に存在している。しっかりクロードの妹として。
私は何度も本を読み返した。しかし現実は変わることもなくしっかり、「エミリア・シュヴァリエ」の名前が存在している。本をじっと見つめ、考えてこんでいると。
「お嬢様。旦那様がお呼びです」
侍女たちが入ってきた。私は慌てて本を閉じ、返事を返した。家族ともっと話せばなにか分かるかもしれない。もしかしたら養女かもしれないし。
しばらく歩くと拾い応接室へと案内された。中には男女が二人。さっきの大広間での朝食の時もみたということはきっと二人は私の両親だろう。
「エミリア。体調は大丈夫か?」
「え?」
「朝から少し様子がおかしかったものだろう?」
心配そうに見つめてくる。その目は娘を心配する親の目だ。慌てて
「だ、大丈夫です」
と返すと母が
「クロードも心配していたわ。朝からあなたがぼーっとしていたからとても心配していたわよ」
え?クロードが?私の心配を?推しに心配されるなんて......オタクの本望だ。
父が口を開く。
「全く......クロードは昔からお前に甘いな」
昔から、ということは私は養女ではなさそう。ということは私は本当にクロードの妹......??
両親も、クロードも侍女たちもみんな私が最初から存在していたように存在を当たり前のように認識している。
私は背筋が冷たくなった。
もし私が存在しないキャラなら、この人達は誰を心配しているのだろう。
推しに会えたことは確かに嬉しいが、存在しない妹に転生するという今までにないシチュエーション。
謎は深まるばかりだった。




