34話
「ワンッワンッワンッワンッ」
「…なにやってんだ?」
「あ、起きた?カゲツに起こしてもらってたの」
重いと思って目を開けるとカゲツが俺の身体の上でノリノリで足踏みしていた。
「今何時?」
「17時。ビックリするぐらい寝たね」
「寝たねー。まだ寝れる」
「今までお疲れさま。明後日も頑張ろうね」
「そうだな」
明後日、日本最後のゲートの主を倒しにいく。
日本にいる全ての主を倒したらいったいどうなる?
何も起きないなんて楽観的な考えはできない。
絶対に何かが起きる、そんな予感がする。
「なぁ、日本以外の災厄ってどうなってるか知ってるか?」
「順調にボスを倒していってるみたいだよ〜。翔琉を見て勇気をもらってる人も多いみたい。でもだいたいの人はリアルMMOだ!ってはしゃいでる感じ」
「海外の人は逞しい人が多いな」
「そだね〜」
日本人は戦闘が苦手そうだが、海外の人達は得意な人達が多そうだな。
動画サイトを見てみると、モンスターと戦っている人達の動画がたくさんあった。
「楽しそうに戦ってるな」
「翔琉もイービルスライムと戦ってるときはそんな感じだったよ」
「えぇ…」
俺が戦っているときの動画もいくつか投稿されていたので見てみると、たしかに口元が笑っていた。
「恥ずかしいな。仮面かマスクでも買おうかな…」
「もういいんじゃない?あと1ヶ所だけなんだしさ」
「そうだな」
「それにフードを被ってると見えにくいよ」
「じゃあいいか」
まぁもう手遅れか、あまり気にしないようにしよう。
「それよりごはん食べに行こーよー」
「そうだな、行くか」
俺が寝ている間はずっとゲームをしていたらしく、外の空気を吸いたくなっていたらしい。
エントランスに行くとスーツを来た海外の人がたくさんいた。
その中心には背が俺と同じぐらいで銀髪で青い目をした王子様のような人と、その隣にはみかと同じぐらいの背の王子に似ている女の子がいる。
銀髪の美男美女兄妹って実在するんだ…。
「わぁ、綺麗な人達」
「異世界から来たって言われても信じれるな」
「それなー」
まぁ俺達には関係ないし、カゲツがご飯を楽しみにしているので早く行ってやらないと。
「燈黒 翔琉と桜井 みかだな。少しだけ話を聞いてくれないだろうか?」
うわー…めんどー…。
みかはカゲツと「ご飯楽しみだね?」と楽しそうに話して聞いていないフリをしている。
俺も無視して行くか。
そのまま通り過ぎようとすると、妹の方が俺達の前に来た。
「少しだけでいいのです!お話を聞いていただけませんか。お願いします!」
「聞いてあげなよー」
「お前も言われてるんだぞ?」
「どうせ翔琉目当てでしょ」
「君達2人と話がしたい。時間がないなら別の日でもいい。頼む」
正面から言われると断りにくいんだよなぁ…。
本当に困っているのかもしれないし。
「翔琉ってホントお人好しだよね?」
「なにも言ってないだろ」
「顔を見ればわかります〜。いいよ、話だけなら聞いてあげる。でも今からご飯を食べに行くところだったんだからすぐに解放してね」
「このホテルで食事はしないのか?」
「翔琉が気に入ったお店に行くとこだったの」
「では私もついて行こう」
あの居酒屋にこんな漫画の世界から来たような王子みたいな人を連れて行っていいのか?
まぁ、いいか。客が増えたら喜ぶだろ。
「というわけで、連れてきちゃった」
「どうもー!」
「ワーン!」
「失礼する」
「し、失礼いたします」
「お客さん、ちょっとこっちに来てもらっていいか?」
心が俺以外のメンバーを席に案内するなか、俺は大将に裏へ連れていかれてしまった。
「おいおいどういうことだよ。どこの王子様連れてきてんだ?」
「ホテルで絡まれてどうしても話がしたいって言われて…。注文はする!だから気にしないでくれ」
「そういう問題じゃねーんだよ!」
まぁ驚くよな。俺も驚いている。
「はぁ、もういいや、わかったよ。その代わりたくさん注文しろよ?あと、犬っころの飯はどうすればいい?ドッグフードなんかねーぞ」
「さすが大将!カゲツはなんでも食べるから気にしなくて大丈夫だ」
「もしかして普通の犬じゃないのか?」
「俺が災厄の中で卵を孵化させて産まれたモンスターだ。悪意のない人間には優しいし、ご飯をくれる人にはすぐに懐く」
「…もう驚かねーよ。王子様達の口に合わなくても知らねーからな」
「ありがとう」
覚悟を決めたようで大将はキッチンに戻ったので、俺も皆のところへ戻る。
「困らせてしまっただろうか?」
「いんや、少し驚いただけだ!ただ、口に合わなかったからってこの店を潰すなんてことしないでくれよ!」
「それはないから安心してくれ。こう見えてもサバイバル生活をしたときに虫も食べたことがある」
「そ、そうかい」
俺みたいな庶民でもない。というか絶対に嫌だ。
みかもドン引きしてるし…。
とりあえず全員分の注文を済ませ、王子達の話を聞くことになった。
「自己紹介が遅れたな。私の名はレオン・ラース・ヴィクトル。よろしく頼む」
「私はサロメ・ラース・ヴィクトルと申します。よろしくお願いいたします」
「日本語上手いな」
「覚醒者はその国の言語を知らなくても話すことができる。知らなかったのか?」
「翔琉はずーっと戦ってるから調べる暇がなかったんだよ」
「なるほど、たしかにそうだな。約4日ほどで災厄にいるボスを3体も倒すほどのスケジュール…。世の中のことを知らなくても仕方あるまい」
俺の世間知らず具合が加速していってる気がする。
しょうがないじゃん!寝るか戦うかのどっちかだったもん!
仕事が忙しくなってきたので毎日投稿なくなります




