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フリーターの俺に世界が救えると思いますか?  作者: 干物


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26話


「ありがとう、燈黒くん。僕は水無瀬(みなせ) 雪斗(ゆきと)です。君のおかげで助かったよ」

「それはよかった。ここに出るモンスターのことを聞きたいんだけどいいか?」

「いきなりだね。ここのモンスターはスライムだよ」


全員に簡易的なお風呂を用意しているときに、最初に水で包んだ水無瀬という人にこの会社のことを聞いていた。


それにしてもスライムか。

俺と相性悪そうだな…。


「様々な種類のスライムがいるみたいで、1階にいるスライムは殺傷能力はほとんどないんだけど、数が多くて困ってるんだ」

「他の階のスライムはわかってるのか?」

「2階のスライムは毒のスライム、3階のスライムは炎を纏って突撃してくるスライムだった。4階のモンスターは写真が送られてきただけで見た目しかわからない。5階には多分ボスがいる」


写真を見せてもらったが、水色で細長くて床と天井に伸びてくっついていることしかわからなかった。


「不気味だな」

「そうなんだよね。まずはこの階のスライムからなんとかしたいけど、一体を倒すのに時間がかかるし、倒しても倒しても数が減らないんだ」

「どうやって上に行ったんだ?」

「10名を残して10名で上に。5名を残して5名が上にっていう感じで3階までは行けたんだ」


そうやってなんとか情報を集めたのか。

残っている社員の救出に向かった結果、色々わかったっていう方が正しいか。


ポヨンッポヨンッ


話を聞いていると変な音が近付いてきた。


「スライムが溢れてきたぞ!」

「あれがスライムか」


水色の球体型モンスター。

今のところただ跳ねているだけ。それが10ほどいる。


「このっ!核はどこなの!?」

「オラァッ!くそ、外した…」


核?

普通に攻撃してもすぐに再生して効いてなさそうだった。


ただスライムは突撃することしか攻撃手段がないため、危険は少なそうだな。


「核を破壊しないと再生するのか?」

「そうなんだ。スキルも効かないし、あれがこの先に大量にいるから数で押されるんだ」

「なるほどな」


核の位置は気配でわかる。


スライムの中から強い気配を感じるからそれが核だろうな。


「風よ」


右手に風を纏わせてスライムに近付き、核を抜き出した。

すると、スライムの身体は水のようになって床に広がった。


「カゲツ」

「ワンッ!」

「これ食ってみるか?」

「ワンッ」


カゲツが核を噛み砕くと、美味しかったのか喜んでいる。


「ワフッ」

「もっと用意してやるからな」


それから残りのスライムの核を抜いて集めた。


「食べていいぞ〜」

「ワォーンッ!」


ガリガリ音を鳴らして美味しそうに食べている。

レベルも上がったみたいだな。


「翔琉ってさ、どんどん人間離れしていってるよね」

「レベルが上がっていってるからな」

「私っているかな?」

「いるだろ」


今ならバフをかけてくれたらゴブリンジェネラルとも真正面から戦えそうだしな。

流石に真正面からでも小細工をしながら戦わないと無理そうだけど。


「ばか」

「痛いんだけど」

「痛くないくせに」


叩かれると反射的に言ってしまうんだよな。


「仲がいいね。付き合ってるのかい?」

「つ、付き合ってないから!」

「そうなのか。ごめんね、あまりにも仲がよかったから恋人同士なのかと思ってしまったよ」

「そんなんじゃないからね!」

「わかったよ、燈黒くんはすごいね。苦労してる僕達が恥ずかしいよ」

「相性の問題じゃないか?あれぐらいなら俺の得意分野だ」


核を壊すだけでいいなら簡単だ。

シンプルなスライムなら特に。


「上のスライムも核があるのか?」

「ある。再生も早い。それに上の階はもう毒が充満していて対策なしで行くとすぐに死ぬかもしれない」


毒の対策か。

顔を水で包んで、全身に風を纏えばいけるか?


「2階に行く前にまず、このドアの向こうのスライムだな」

「なにか手伝えることはあるかい?」

「そうだな…。会社の前のカメラマン達の相手を頼む」

「そんなことでいいのかい?」

「俺にはできないことだからな」

「任せてくれ」


あのカメラマンを相手にしているといつか殴ってしまう可能性があるからな。できるだけ話したくない。


「みかはバフは何人まで同時にかけられる?」

「何人でもかけられるけど人数が増えるごとに効果が下がるかも」

「リジェネレイトだっけ、あれで試したのか?」

「そ!翔琉の水はいいよね〜。3人までは使えるんでしょ?」


使えるだけで治癒効果が下がったとか考えてなかった…下がってたのか?

温度のことしか考えてなかったな。


「まさか、何も考えてなかったとか言わないよね?」

「あー、まぁ、その…なんとなく使ってました…」

「ほんっっっっっとバカなんだから…。それで、翔琉とカゲツにバフをかけたらいいの?」

「いや、カゲツだけ頼む。まだまだレベルが低いからな、あっさり死なれたら困る」

「ワンワンワンッ!」


めっちゃ怒ってる。

俺の足をガブガブ噛んできてるんだけど。


「カゲツが怒ってるじゃん」

「グルルルルルルッ」

「行くぞ。おい、離せって」


歩き出しても離さないんだけど、このわんころ。


ドアを開けた先にはスライムがたくさんいた。


「なにこの数…何体いるの?」

「カゲツのレベル上げにはちょうどよさそうだな」


スライム同士が重なりあってるし、天井や壁にも張り付いているし、数が全くわからない。


「カゲツ、やれるよな?」

「ワンッ!」

「ほんとにカゲツだけにバフかけるからね!」

「頼んだ」


初めてバフをかけられたカゲツは驚いているというか、落ち着かない様子だ。


「ワン?」

「いつか慣れるから。とりあえず戦ってみな?」

「ワンッ!」

「大丈夫かな?」


カゲツのステータスを確認しておこう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー



名前:カゲツ レベル:2


種族:シャドウウルフ


HP:200 MP:175


筋力:10 防御力:10


速度:15 知能:10


感覚:20 運:7


<スキル>

影 シャドウスピア



ーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺の初期ステータスよりも高いし、かなり強くなりそうだな。


死ななければ。


「ワォーンッ!」

「なにあれ!?」


カゲツの足下から黒いオーラが出てきて身体を包んでいくとだんだん大きくなっていき、子犬ぐらいの大きさしかなかった身体は体高2mほどになった。


身体からは黒いオーラが流れ続けている。

もしかして影のスキルであそこまで大きくしているのか?


「ガルルルルルルッ、オォーン!」


カゲツが纏っている黒いオーラと同じ色をした槍が足下から飛び出しスライムの核を砕きつつ、カゲツ自身もスライムに突撃していった。


「圧倒的だな。カゲツだけでもすぐに倒せそうだ」

「カゲツ楽しそうだね」

「産まれてから初めて暴れてるからじゃないか?」

「暴れるって…。まぁそうにしか見えないけどさ」


カゲツはノリノリでスライムを倒していってる。

そのままカゲツが全て倒すのを見届けた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー



名前:カゲツ レベル:4


種族:シャドウウルフ


HP:300 MP:225


筋力:10 防御力:10


速度:20 知能:15


感覚:23 運:7


<スキル>

影 シャドウスピア



ーーーーーーーーーーーーーーーーー


あの数を倒してレベルが2つしか上がらなかったか。

みかはレベルが1つ上がったが俺は上がらなかった。


「ワンッ!」

「よくやったな、カゲツ。戻ってご飯食べるか?」

「ワォン!」


エントランスに戻るとあのカメラマンがいた。


「おぉ、戻って来ましたか!」

「燈黒くんごめん…」

「あぁ…」

「グルルルルッ」

「すぐに威嚇するな」


カゲツもこの男が嫌いみたいだな。

威嚇するなと言ってもまだ唸っている。


「その子犬は普通の犬ではないですよね?まさか化物を従えることができるなんて思っていませんよね?もしも人を襲った場合、責任はとれるのですか?」


嫌な言い方をしてくるな。


まずい、カゲツが今にも飛びかかりそうだな。


「躾もできていないようですね〜、怖い怖い」

「カゲツいいか?こいつの言うことは聞かなくていい。この先もムカつく奴は無視だ。わかったか?」

「こ、こいつ…?」

「ワゥン…」


今までは素直に言うことを聞いていたのに不服そうだな。


「テレビの前の皆さん見てますか!やはり化物は人の言うことを聞かないようですよ!」

「ほらな?無視しないと喜ぶんだよ。自分が嫌いな相手を喜ばせたいのか?」

「ッ!ワンッワンッ!」


カゲツは賢いな。

あのリポーターのことを相手にせず、みかの足下で大人しくしている。


「き、救世主様?いったいどのような躾のされ方をされているんです?」

「いやー、すみませんね。まだ産まれたてなんだ。大目に見てくれよ」

「流石は化物を飼おうとするお人ですね。あなたは救世主と呼ばれているのだから、もう少し言動に気をつけてはいかがでしょうか?」

「まさかあんたに言われるとは思ってもみなかったよ。それに救世主と呼んでくれなんて一言も言ったことがないんだけどな」


ゆっくり休みたかったが無理だな。

先に進んだ方がマシだ。


「おや?どこに行かれるのです?まだまだお聞きしたいことがたくさんあるのですが?」

「ここのボスを倒しに行くんだよ。それとも、あんたが代わりに戦うか?」

「ひぃっ……!」


影を身体に纏わせ、不気味な雰囲気を出してビビらせようと思ったんだが上手くいったみたいだな。


これからもカゲツを参考にして使っていこう。


「行くぞ」

「ワンッ!」

「はーい。じゃあね〜おじさん達」

「あ……あぁ……」


ちょっとビビらせ過ぎたかな?



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