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軽くなった足取りと、前へ進む決意

 翌朝。

 ラピスは目を覚まし、ゆっくりと身体を起こした。その瞬間、義足に伝わる感覚が昨日と違うことに気づく。

「……昨日より、足が軽い?」

 重心が安定し、魔力の流れがすっと通るような感覚があった。

 歩き出してみると、足が前に出るのが驚くほど楽だった。

 そこへアルトが部屋を訪れる。

「調整の効果、出てるみたいね」

 ラピスは嬉しそうに頷いた。

 近所の道で歩行テストを始める。

 昨日は歩き始めにふらついていたが、今日は足が地面をしっかり捉えている。

「ふらつきが少ない……!」

 ラピスは驚きながらも、ゆっくりと歩を進める。

 アルトは横で距離を記録しながら、魔力の流れを観察した。

「魔力核の揺れがほとんどない。マーティンの調整が効いてるね」

 ラピスは思わず笑みをこぼす。

「歩くのがこんなに楽になるなんて……」

 道の途中でアルトが立ち止まり、慎重な声で言った。

「今日は砂浜はまだやめておこう。まずは道で距離を伸ばす」

 ラピスは少し残念そうに眉を下げたが、すぐに納得したように頷く。

「うん……無理はしない方がいいよね」

 歩行を再開すると、昨日の倍以上の距離を歩けた。

 ラピスは息を切らしながらも、前向きな表情を崩さない。

「……はぁ……っ……でも、歩ける……!」

 アルトは記録を取りながら微笑んだ。

「すごいよ、ラピス。調整の効果がしっかり出てる」

 呼吸は昨日より安定し、上半身の疲労も軽い。

 ラピス自身もその変化に気づいていた。

「昨日より……体が軽い気がする」

 訓練を終え、ラピスは今日の成果をしみじみと実感した。

「義足の調整って……こんなに違うんだな」

「歩ける距離が伸びると、嬉しい……」

 疲れてはいるものの、昨日よりずっと明るい表情だった。

 アルトが横で優しく声をかける。

「次はまた砂浜に挑戦しよう。ラピスならできる」

 ラピスは小さく頷き、前を向いた。

「うん……やってみたい。今度は一人で皆の拠点に行けるようになりたい」

 その言葉には、確かな決意が宿っていた。

本作をお読みいただきありがとうございます。

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