軽くなった足取りと、前へ進む決意
翌朝。
ラピスは目を覚まし、ゆっくりと身体を起こした。その瞬間、義足に伝わる感覚が昨日と違うことに気づく。
「……昨日より、足が軽い?」
重心が安定し、魔力の流れがすっと通るような感覚があった。
歩き出してみると、足が前に出るのが驚くほど楽だった。
そこへアルトが部屋を訪れる。
「調整の効果、出てるみたいね」
ラピスは嬉しそうに頷いた。
◇
近所の道で歩行テストを始める。
昨日は歩き始めにふらついていたが、今日は足が地面をしっかり捉えている。
「ふらつきが少ない……!」
ラピスは驚きながらも、ゆっくりと歩を進める。
アルトは横で距離を記録しながら、魔力の流れを観察した。
「魔力核の揺れがほとんどない。マーティンの調整が効いてるね」
ラピスは思わず笑みをこぼす。
「歩くのがこんなに楽になるなんて……」
◇
道の途中でアルトが立ち止まり、慎重な声で言った。
「今日は砂浜はまだやめておこう。まずは道で距離を伸ばす」
ラピスは少し残念そうに眉を下げたが、すぐに納得したように頷く。
「うん……無理はしない方がいいよね」
◇
歩行を再開すると、昨日の倍以上の距離を歩けた。
ラピスは息を切らしながらも、前向きな表情を崩さない。
「……はぁ……っ……でも、歩ける……!」
アルトは記録を取りながら微笑んだ。
「すごいよ、ラピス。調整の効果がしっかり出てる」
呼吸は昨日より安定し、上半身の疲労も軽い。
ラピス自身もその変化に気づいていた。
「昨日より……体が軽い気がする」
◇
訓練を終え、ラピスは今日の成果をしみじみと実感した。
「義足の調整って……こんなに違うんだな」
「歩ける距離が伸びると、嬉しい……」
疲れてはいるものの、昨日よりずっと明るい表情だった。
アルトが横で優しく声をかける。
「次はまた砂浜に挑戦しよう。ラピスならできる」
ラピスは小さく頷き、前を向いた。
「うん……やってみたい。今度は一人で皆の拠点に行けるようになりたい」
その言葉には、確かな決意が宿っていた。
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