歩ける身体で踏み出す剣術の第一歩
ラピスは、もう難なく歩けるようになっていた。
最近では走り込みまで始めており、義足の重心も安定している。
歩くたびに、以前とはまったく違う軽さを感じられた。
そんなラピスの成長を見て、アルトは王都郊外の広場で軽い剣術の基礎を始めることを提案した。
「まずは木剣で、軽い素振りから始めよう」
アルトが木剣をラピスに手渡す。
ラピスは慎重に握り、軽く振ってみた。
しかし、剣を振り上げた瞬間、重心が崩れた。
「うわっ……!」
足がもつれ、前のめりに倒れそうになる。
アルトがすぐに駆け寄り、ラピスの肩を支えた。
「大丈夫。ゆっくりでいいから」
ラピスは深呼吸し、再び木剣を構える。
今度は呼吸を整えながら、軽い素振りを数回。
魔力核が揺れないように、腹式呼吸を意識する。
アルトが横で見守りながら声をかけた。
「力を入れすぎない。肩の力を抜いて」
「……うん」
ラピスは言われた通りに肩の力を抜き、ゆっくりと剣を振る。
その動きはぎこちないが、確かに形になっていた。
◇
その横で、アルトが同じ木剣を軽々と振ってみせる。
振りかぶってから戻すまでの動作が驚くほど早い。
ラピスは思わず目を丸くした。
「アルト……その動き、すごく速いよ。戻すのも一瞬だし……」
アルトは木剣を見つめ、少し複雑そうな表情を浮かべた。
「う〜ん……癖がついているからかな」
その声には、どこか言いづらそうな響きがあった。
ラピスは首を傾げたが、深くは聞かず、再び木剣を握り直した。
新しい訓練の始まりに、胸が少し高鳴っていた。
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