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砂浜での初挑戦と新たな出会い

 ラピスは体力がついてきたことで、舗装された道なら難なく歩けるようになっていた。

 その成長を見て、アルトはついに次の段階へ進むことを決める。

「今日は……砂浜を歩いて拠点まで行ってみよう」

 ラピスは緊張した面持ちで頷いた。

「……やっとか…やってみるよ」

 砂浜に足を踏み入れた瞬間、義足が沈み、ラピスの身体がぐらりと揺れた。

 それでも、ゆっくりと足を運べばなんとか前へ進める。

「砂って……こんなに歩きづらいんだな……」

 ラピスは息を整えながら一歩ずつ進む。

 しかし、砂に足を取られた瞬間、身体が大きく傾いた。

「うわっ——」

 転倒しかけたラピスを、アルトが慌てて支える。

「ラピス、危ない!」

 だが、身長差のせいでアルトもバランスを崩し、二人まとめて砂の上へ倒れ込んでしまった。

「……っ、だ、大丈夫……?」

「うん……ちょっとびっくりしたけど……」

 砂浜に倒れた二人のもとへ、海岸沿いから複数の影が近づいてきた。

「アルト!?ラピスさん!?」

 リオルが駆け寄り、従者のエディと護衛騎士トラフィカも後ろから続く。

 トラフィカが素早くラピスとアルトを起こし上げた。

「お怪我はありませんか」

「ありがとうございます……助かりました」

 ラピスは砂を払いながら礼を言う。

 そして、ふと三人の顔を見つめた。

「あなたたちは……」

思い出そうとするような表情。確か教会で会った事があったような…

 そこで従者の青年が丁寧に一礼した。

「初めまして。私はリオル様の従者、エディと申します」

続いて騎士が胸に手を当てる。

「護衛騎士のトラフィカです。以後お見知りおきを」

 最後にリオルが微笑んだ。

「僕はリオル。学校では何度か会ってるけど……改めてよろしくね、ラピスさん」

 アルトが周囲を見渡し、砂浜から離れることを提案する。

「ここだと足を取られやすいし……一旦、道まで戻ろう」

 ラピスは頷き、エディ・リオル・アルトに支えられながらゆっくりと砂浜を離れた。義足が沈むたびに身体が揺れるが、三人の支えでなんとか舗装された道へ辿り着く。

「……はぁ……っ……」

 ラピスは肩で息をし、汗が額ににじんでいた。

「拠点までもう少し歩くけど……大丈夫?」

 アルトが心配そうに尋ねると、ラピスは汗を拭いながら答えた。

「……だ、大丈夫……行ける……」

 アルトがそっと体を支え、一行は拠点へ向かって歩き出した。

 拠点に到着すると、ユナ・カイ・マーティン・ハリスが出迎えた。

「ラピスさん!来てくれたんですね!」

 ユナが嬉しそうに駆け寄る。

「初めまして!カイです!」

 カイが元気いっぱいに挨拶する。

 ハリスがラピスを椅子へ座らせ、マーティンが義足の状態を確認する。

「初めまして……ラピスです」

 ラピスは少し緊張しながら頭を下げた。

「義手と義足を作ってくださって……本当にありがとうございました」

 その言葉に、マーティンは静かに頷いた。

「無事に歩けているようで何よりだ」

 拠点の空気は温かく、ラピスは少しだけ肩の力を抜いた。

本作をお読みいただきありがとうございます。

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