砂浜での初挑戦と新たな出会い
ラピスは体力がついてきたことで、舗装された道なら難なく歩けるようになっていた。
その成長を見て、アルトはついに次の段階へ進むことを決める。
「今日は……砂浜を歩いて拠点まで行ってみよう」
ラピスは緊張した面持ちで頷いた。
「……やっとか…やってみるよ」
◇
砂浜に足を踏み入れた瞬間、義足が沈み、ラピスの身体がぐらりと揺れた。
それでも、ゆっくりと足を運べばなんとか前へ進める。
「砂って……こんなに歩きづらいんだな……」
ラピスは息を整えながら一歩ずつ進む。
しかし、砂に足を取られた瞬間、身体が大きく傾いた。
「うわっ——」
転倒しかけたラピスを、アルトが慌てて支える。
「ラピス、危ない!」
だが、身長差のせいでアルトもバランスを崩し、二人まとめて砂の上へ倒れ込んでしまった。
「……っ、だ、大丈夫……?」
「うん……ちょっとびっくりしたけど……」
砂浜に倒れた二人のもとへ、海岸沿いから複数の影が近づいてきた。
◇
「アルト!?ラピスさん!?」
リオルが駆け寄り、従者のエディと護衛騎士トラフィカも後ろから続く。
トラフィカが素早くラピスとアルトを起こし上げた。
「お怪我はありませんか」
「ありがとうございます……助かりました」
ラピスは砂を払いながら礼を言う。
そして、ふと三人の顔を見つめた。
「あなたたちは……」
思い出そうとするような表情。確か教会で会った事があったような…
そこで従者の青年が丁寧に一礼した。
「初めまして。私はリオル様の従者、エディと申します」
続いて騎士が胸に手を当てる。
「護衛騎士のトラフィカです。以後お見知りおきを」
最後にリオルが微笑んだ。
「僕はリオル。学校では何度か会ってるけど……改めてよろしくね、ラピスさん」
◇
アルトが周囲を見渡し、砂浜から離れることを提案する。
「ここだと足を取られやすいし……一旦、道まで戻ろう」
ラピスは頷き、エディ・リオル・アルトに支えられながらゆっくりと砂浜を離れた。義足が沈むたびに身体が揺れるが、三人の支えでなんとか舗装された道へ辿り着く。
「……はぁ……っ……」
ラピスは肩で息をし、汗が額ににじんでいた。
「拠点までもう少し歩くけど……大丈夫?」
アルトが心配そうに尋ねると、ラピスは汗を拭いながら答えた。
「……だ、大丈夫……行ける……」
アルトがそっと体を支え、一行は拠点へ向かって歩き出した。
◇
拠点に到着すると、ユナ・カイ・マーティン・ハリスが出迎えた。
「ラピスさん!来てくれたんですね!」
ユナが嬉しそうに駆け寄る。
「初めまして!カイです!」
カイが元気いっぱいに挨拶する。
ハリスがラピスを椅子へ座らせ、マーティンが義足の状態を確認する。
「初めまして……ラピスです」
ラピスは少し緊張しながら頭を下げた。
「義手と義足を作ってくださって……本当にありがとうございました」
その言葉に、マーティンは静かに頷いた。
「無事に歩けているようで何よりだ」
拠点の空気は温かく、ラピスは少しだけ肩の力を抜いた。
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