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ラピスの成長を語る裏庭の会話

 朝の通学路を歩きながら、アルトは昨日のラピスの歩行訓練を思い返していた。

「昨日より歩けてたよな……」

 胸の奥にじんわりと嬉しさが広がる。

 けれど同時に、少しの不安も混ざっていた。

 歩けるようになっていくことは嬉しい。

 でも、歩けるようになれば――剣を持つ未来も近づく。

 学校に着くと、教室はどこか静かに感じられた。


 昼休み、裏庭に出ると、カイが勢いよく駆け寄ってきた。

「ラピスさん、昨日どうだった?」

 アルトは少し笑って答える。

「舗装されていない家の近くよりずっと歩けてたよ」

 ユナが目を輝かせる。

「すごい……本当に歩けるようになってきたんだね」

 そこへリオルが、興味津々といった様子で話に入ってくる。

「道の方が魔力消費が少ないのはマーティンさん達が調べた理論通りだね」

「義足の魔力核、安定してきてるんだろう?」

 アルトは頷いた。

「昨日はほとんど揺れなかったよ」

 すると、腕を組んだハリスが真剣な表情で口を開く。

「歩けるようになったのはいいが、道中の安全は確保すべきだ」

「拠点まで歩くなら、護衛は必要だろう」

「そんなに危ないかなぁ」

 カイが首を傾げるが、ハリスは続ける。

「義足はまだ本調子じゃない。転倒の危険はある。それに砂地になれば足がもつれやすくなるだろう?」

 その言葉に、アルトは頷く。

 確かに、ラピスはまだ完全に安定しているわけではない。

 授業中、アルトはふと窓の外を見ながら思う。

「今頃、休んでるかな……」

 ラピスが歩けるようになっていく喜び。

 でも、剣を持たせても問題ないのか――その不安が頭をよぎる。

 放課後、海風を感じながら帰り道を歩く。

「ラピスが歩ける距離を伸ばせるように……私も支えないと」

 そう呟きながら、明日の訓練の計画を頭の中で整理する。

「明日は……道をもう少し長く歩く練習にしようかな。ラピスって意外と体力と順応力あるよね…」

 海風が頬を撫で、アルトは少しだけ肩の力を抜いた。

本作をお読みいただきありがとうございます。

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