ラピスの成長を語る裏庭の会話
朝の通学路を歩きながら、アルトは昨日のラピスの歩行訓練を思い返していた。
「昨日より歩けてたよな……」
胸の奥にじんわりと嬉しさが広がる。
けれど同時に、少しの不安も混ざっていた。
歩けるようになっていくことは嬉しい。
でも、歩けるようになれば――剣を持つ未来も近づく。
学校に着くと、教室はどこか静かに感じられた。
◇
昼休み、裏庭に出ると、カイが勢いよく駆け寄ってきた。
「ラピスさん、昨日どうだった?」
アルトは少し笑って答える。
「舗装されていない家の近くよりずっと歩けてたよ」
ユナが目を輝かせる。
「すごい……本当に歩けるようになってきたんだね」
そこへリオルが、興味津々といった様子で話に入ってくる。
「道の方が魔力消費が少ないのはマーティンさん達が調べた理論通りだね」
「義足の魔力核、安定してきてるんだろう?」
アルトは頷いた。
「昨日はほとんど揺れなかったよ」
すると、腕を組んだハリスが真剣な表情で口を開く。
「歩けるようになったのはいいが、道中の安全は確保すべきだ」
「拠点まで歩くなら、護衛は必要だろう」
「そんなに危ないかなぁ」
カイが首を傾げるが、ハリスは続ける。
「義足はまだ本調子じゃない。転倒の危険はある。それに砂地になれば足がもつれやすくなるだろう?」
その言葉に、アルトは頷く。
確かに、ラピスはまだ完全に安定しているわけではない。
◇
授業中、アルトはふと窓の外を見ながら思う。
「今頃、休んでるかな……」
ラピスが歩けるようになっていく喜び。
でも、剣を持たせても問題ないのか――その不安が頭をよぎる。
◇
放課後、海風を感じながら帰り道を歩く。
「ラピスが歩ける距離を伸ばせるように……私も支えないと」
そう呟きながら、明日の訓練の計画を頭の中で整理する。
「明日は……道をもう少し長く歩く練習にしようかな。ラピスって意外と体力と順応力あるよね…」
海風が頬を撫で、アルトは少しだけ肩の力を抜いた。
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