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遠くへ行くための最初の外歩き

 朝の柔らかな光が差し込む中、アルトは義足の魔力循環を慎重に確認していた。

 魔力核は昨日よりさらに安定した青白い光を放ち、脈動も落ち着いている。

「うん……いい感じだね」

 ラピスはゆっくり立ち上がる。

 義足が沈む感覚も軽く、身体の揺れも少ない。

「今日は……外に出てみようか」

 アルトの言葉に、ラピスは少し緊張した表情で頷いた。

 壁沿いにゆっくり歩きながら玄関へ向かう。

 魔力核が青白く脈打ち、歩行を支えてくれる。

 昨日より揺れが少なく、歩幅も安定している。

「……外、久しぶりだな」

 ラピスは玄関の扉に手をかけた。

 扉を開けると、風がふわりと流れ込んだ。

 海の匂いを含んだ風が頬を撫で、光が義足に反射して青銀色に輝く。

 ラピスは目を細めた。

「……外の空気、こんなに気持ちよかったんだな」

 アルトが横で支えながら、そっと見守る。

「ゆっくりでいいよ」

 ラピスは深呼吸し、ゆっくり一歩踏み出した。

 義足が地面に沈む感覚。

 魔力核が反応し、歩行を補助する。

「……歩ける。外でも……歩ける」

 その声は驚きと喜びが混ざっていた。

 二歩目を踏み出した瞬間、ラピスの息が上がった。

 義足の重さと魔力負荷で肩で息をする。

「……っ、外は……思ったより……疲れる……」

 アルトがすぐに休憩を促す。

「無理しないで。今日は“外に出られた”だけで十分だよ」

 ラピスは義足を見つめながら、小さく笑った。

「……歩けるようになったら、もっと遠くまで行けるよな」

 アルトも微笑む。

「うん。今はまだ長屋の中だけど。海岸沿いの拠点まで、いつか歩いて行こう」

 ラピスはその言葉を胸に刻むように頷いた。

本作をお読みいただきありがとうございます。

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