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昨日より前へ進むための二歩目

 朝の光が差し込む部屋で、アルトはラピスの義足の魔力循環を丁寧にチェックしていた。

 魔力核は安定した青白い光を放ち、昨日よりも脈動が落ち着いている。

「よし……今日もいけそうだね」

 ラピスはゆっくり立ち上がった。

 義足が沈む感覚も、昨日よりずっと軽い。

「今日は二歩目から始めよう」

 アルトの声に、ラピスは深呼吸して頷いた。

 慎重に二歩目を踏み出す。

 魔力核が反応し、昨日より揺れが少ない。

「……いける……昨日より歩ける」

 その言葉には、確かな手応えがあった。

 しかし、体力はまだ追いつかない。

 三歩目を踏み出した瞬間、ラピスの息が上がった。

 義足の重さと魔力負荷で額に汗がにじむ。

「……っ、思ったより……疲れる……」

 アルトがすぐに水を渡す。

「歩くって、体力がいるんだね」

 ラピスは苦笑しながら水を飲んだ。

 アルトは姿勢を見ながら言う。

「重心を前に置きすぎないで」

「義足は魔力で支えるより、体で支えるんだ」

 ラピスは言われた通りに姿勢を直す。

 すると、少し歩きやすくなった。

「……本当に歩けるようになりそうだ」

 その声は、昨日よりずっと前向きだった。

 海岸沿いの拠点にて、アルトは仲間たちに、ラピスが歩行訓練を始めたことを伝えた。

「遠くまで歩けるようになったら……ここまで来る予定なんだ」

 その言葉に、カイが目を輝かせる。

「ラピスさん来るの!?楽しみ!」

 ユナも嬉しそうに笑った。

「歩けるようになったんだ……すごい」

 リオルはすぐに魔力安定剤の追加準備を始める。

「念のため、予備を持っておいたほうがいいよね」

 ハリスは腕を組んで言った。

「道中で転ばないように護衛をつけるべきだ」

 マーティンが冷静にまとめる。

「まずは短距離からだ。焦らせる必要はない」

 その言葉に、皆が頷いた。

本作をお読みいただきありがとうございます。

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