これが俺の足になる日
家の作業場で、アルトは徹夜で魔力核の細かい部分を仕上げていた。
義手よりも強い魔力循環が必要になるため、魔力の流れを何度も調整し、回路を磨き、魔法陣の線を一本ずつ描き直す。
「……これで、ようやく形になった」
夜が明ける頃、魔力核は青白い光を静かに放ち始めた。
◇
翌日、リオルが魔力安定剤を抱えてやってきた。
「アルト、マーティンさん、できたよ。義足用の新しい配合」
マーティンは魔力核に安定剤を流し込み、慎重に魔力の反応を見守る。
光が安定し、脈動が落ち着いた。
「これなら……歩けるはず」
その言葉に、リオルが嬉しそうに頷いた。
◇
一方その頃、ラピスは歩くイメージトレーニングを始めていた。
杖を使いながら、足の動きをゆっくりイメージする。
義手で壁を支え、体重を少しずつ移動させる。
「……歩くって……やっぱり難しいな」
それでも諦めず、何度も挑戦する姿に、アルトは胸が熱くなる。
◇
作業場に戻ったアルトは、完成した義足の試作をラピスに見せた。
「ラピス、できたよ。試作だけど……見てほしい」
ラピスは目を輝かせた。
「これが……俺の足になるのか」
青銀色の義手と並ぶように、義足の魔力核も淡く光っている。
◇
仮装着テストを始める。
まだ完全ではないが、形を合わせるためにラピスの身長と体重から微調整を行う。
「少しだけ体重を乗せてみて」
アルトの言葉に、ラピスはゆっくり義足へ体重をかけた。
義足がわずかに沈み、魔力核が反応する。
ラピスの身体がぐらりと揺れたが、すぐに義手で壁を押さえて踏ん張った。
「……いけるかもしれない」
その小さな一歩が、ラピスの未来を確かに照らしていた。
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