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これが俺の足になる日

 家の作業場で、アルトは徹夜で魔力核の細かい部分を仕上げていた。

 義手よりも強い魔力循環が必要になるため、魔力の流れを何度も調整し、回路を磨き、魔法陣の線を一本ずつ描き直す。

「……これで、ようやく形になった」

 夜が明ける頃、魔力核は青白い光を静かに放ち始めた。

 翌日、リオルが魔力安定剤を抱えてやってきた。

「アルト、マーティンさん、できたよ。義足用の新しい配合」

 マーティンは魔力核に安定剤を流し込み、慎重に魔力の反応を見守る。

 光が安定し、脈動が落ち着いた。

「これなら……歩けるはず」

 その言葉に、リオルが嬉しそうに頷いた。

 一方その頃、ラピスは歩くイメージトレーニングを始めていた。

 杖を使いながら、足の動きをゆっくりイメージする。

 義手で壁を支え、体重を少しずつ移動させる。

「……歩くって……やっぱり難しいな」

 それでも諦めず、何度も挑戦する姿に、アルトは胸が熱くなる。

 作業場に戻ったアルトは、完成した義足の試作をラピスに見せた。

「ラピス、できたよ。試作だけど……見てほしい」

 ラピスは目を輝かせた。

「これが……俺の足になるのか」

 青銀色の義手と並ぶように、義足の魔力核も淡く光っている。

 仮装着テストを始める。

 まだ完全ではないが、形を合わせるためにラピスの身長と体重から微調整を行う。

「少しだけ体重を乗せてみて」

 アルトの言葉に、ラピスはゆっくり義足へ体重をかけた。

 義足がわずかに沈み、魔力核が反応する。

 ラピスの身体がぐらりと揺れたが、すぐに義手で壁を押さえて踏ん張った。

「……いけるかもしれない」

 その小さな一歩が、ラピスの未来を確かに照らしていた。


本作をお読みいただきありがとうございます。

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