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歩くための設計図と、色の好み

 義足がまだないため、ラピスは杖を使って立ち上がる練習をしていた。

 義手で体を支え、壁に手をつきながら、ゆっくりと足に力を入れる。

「……っ、まだ重い……」

 それでも諦めず、何度も挑戦する。

 額に汗がにじみ、肩で息をしながらも、ラピスは立ち上がろうとする。

 アルトは心配そうに見守っていた。

「無理しないでください」

 ラピスは首を振る。

「歩きたいんだ。自分の足で」

 その言葉は弱々しいのに、強かった。

 アルトは作業場に戻り、義足の設計図を見つめた。

 義手より複雑で、魔力の流れも強く必要になる。

「歩くための魔力循環……難しいな」

 そこへ仲間たちが次々と手伝いに入ってくる。

 カイは金属フレームを調整し、

 ユナは革の固定具を試作し、

リオルは魔力安定剤の新しい配合を考えていた。

「そういえばラピスの義手、使い心地はどう?」

 リオルがアルトに尋ねる。

「すぐに使いこなせたよ。

 それに……青白く光るところが、かっこいいって言ってた」

 リオルは声をあげて笑った。

「ラピスさん、そういうの好きそうだよね」

「色って変えられるのかな?」

 アルトが言うと、リオルが目を輝かせた。

「魔力安定剤で色を変えられるか試したいな!」

 そこへカイが勢いよく割り込む。

「赤黒い感じがいい! 絶対かっこいい!」

 ユナがすかさず反論する。

「柔らかい緑とかピンクのパステルカラーがいいよ。かわいいもん」

 その瞬間、作業場の扉が開き、マーティンとハリスが入ってきた。

「何してんだお前ら……?」

 呆れた声が響く。

「義手や義足の色は何色がかっこいいか話しています!」

 カイが元気よく答える。

 リオルが真面目な顔で言う。

「でも、義手や義足ってわからないような色にした方がいいんじゃない?」

 ハリスが頷く。

「貴族的には義手や義足は見せるものじゃないからな」

 マーティンは腕を組んで言った。

「普通に鈍色でいいだろ」

「マーティンさんはわかってない!」

「センスがない!」

 カイとユナが同時に叫ぶ。

 マーティンは圧倒されてドン引きしていた。

 ハリスは笑いながら言う。

「俺は回路や魔法陣が剥き出しになってるのがかっこいいと思うけどな」

「ハリスさんらしいですね」

 リオルが笑う。

 ユナがアルトに振る。

「アルトは?」

 アルトは少し考えてから答えた。

「光が反射しない黒がいいな」

「なんで?」

 ユナが首をかしげる。

「反射すると……居場所がバレるから」

 その瞬間、ユナとリオルが同時に叫んだ。

「戦闘前提なの!?」

 マーティンは苦笑いしながら、その騒ぎを静かに見ていた。

本作をお読みいただきありがとうございます。

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