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集う仲間と始まる義手づくり

 翌朝、アルトの部屋にはリオル、ユナ、カイが集まっていた。

 昨夜、マーティンたちの帰還が遅かったため、皆どこか落ち着かない様子でそわそわしている。

「遅い……何かあったのかな」

 ユナが不安げに呟く。

「大丈夫だよ。あのメンバーだし」

 カイが言うものの、声には少しだけ緊張が混じっていた。

 そこへ、扉がゆっくり開く。

「……おはよう……昨日は疲れすぎて死んだように寝た……」

 眠そうな顔のハリスがふらりと入ってきた。

 その後ろから、マーティンが慎重に包みを抱えて現れる。

「マーティン!」

 アルトが駆け寄る。

「無事でよかった……!」

 マーティンは小さく頷き、机の上に包みを置いた。

「見せよう。これが――潮晶石だ」

 布を開いた瞬間、青白い光が部屋いっぱいに広がった。

 まるで脈打つように、淡い光が揺れている。

「……これが潮晶石……!」

 アルトの瞳が大きく見開かれる。

「すごい……」

 リオルが思わず手を伸ばしかけたが、マーティンに止められた。

「素手は危険だ。魔力が強すぎる」

 リオルは慌てて手を引っ込める。

 マーティンは机に器具を並べ、昨日の分析結果を説明し始めた。

「まず、魔力の通しやすさが異常だ。そして回路の安定性も高い。

 義手に組み込めば、魔力暴走のリスクは大幅に減る」

 皆が息を呑む。

「これなら……義手が完成するかもしれない」

 マーティンの声には、確かな手応えがあった。

「じゃあ、どうやって加工するの?」

 アルトが身を乗り出す。

「潮晶石は硬いが、魔力を流しながら削れば形を整えられる。

 ただし、扱いを誤ると砕ける。慎重にやるぞ」

 マーティンが工程を説明すると、自然と全員が動き始めた。

「素材の調合は任せてください」

 リオルが薬品棚を開く。

「補強布、持ってくる!」

 ユナが走り出す。

「工具の整備は俺がやる」

 カイが腰の工具袋を広げる。

 アルトは机に向かい、回路の再設計に取りかかった。

 紙の上に描かれる線は、以前よりも複雑で、しかし迷いがない。

 その様子を見ながら、ハリスがぽつりと呟いた。

「次はもっと上手くやるよ。落石はもう勘弁だ」

 その言葉に、みんなが笑った。

「天井は壊さないでね」

「ハリスさんならできるよ」

 笑い声が広がる中、ハリスの表情には確かな決意が宿っていた。

 やがて、アルトとマーティンが潮晶石の加工に取りかかる。

 魔力を流し込むと、石は淡く脈打ち、部屋が青白い光に包まれた。

「……綺麗……」

 ユナが思わず呟く。

 アルトは光を見つめながら、小さく息を吸った。

「……これが完成すれば、あの人はまた戦える」


その言葉は静かだったが、部屋にいた全員の胸に深く響いた。

本作をお読みいただきありがとうございます。

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