職員会議No.01
夕方。
職員室の奥にある会議室では、初等部・中等部・高等部の先生たちが集まっていた。
初等部の担任が、今日の訓練の報告を終えたところだった。
「……以上が、初等部の防災訓練の様子です」
会議室は一瞬静まり返る。
中等部の先生が、驚いたように眉を上げた。
「……初等部の子たちが、ここまでやったんですか」
「ええ。
怪我人の運搬、炊き出し、テント設営……
全部、自分たちで考えて動いていました」
高等部の先生が苦笑する。
「うちの生徒よりしっかりしてるかもしれませんね」
別の先生が資料をめくりながら呟く。
「これ……本当に子どもたちが作ったんですか?」
「はい。
図書室で調べて、まとめて……
“学校全体でやりたい”と言っていました」
会議室の空気が、ゆっくりと変わっていく。
最初は驚き。
次に感心。
そして──
「……これは、初等部だけで終わらせるのはもったいないですね」
「中等部でもやるべきです」
「高等部も参加した方がいい」
「魔力暴走の避難訓練なんて、全学年で必要でしょう」
次々と意見が上がる。
学園長が静かに頷いた。
「……では、提案します。
来月、全学年合同の防災訓練を実施しましょう。
初等部の取り組みを基盤にして」
会議室がざわめく。
「全学年合同……!」
「本格的な訓練になりますね」
「準備が大変ですが……やる価値はあります」
初等部の担任は、実際に見ていたときは内心顔を引き攣らせていたが、今はとても誇らしく感じていた。
胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じる。
(……あの子たちの行動が、
こんなに大きな動きを生むなんて)
「そういえば、これを提案したのはどなたなのでしょうか?とても実践的です。」
「騎士の家系の子や魔法士の家系の子もいるので、できた芸当でしょう。」




