表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/72

試作日1日目

 翌朝。

 海岸沿いの空き家には、潮の匂いを含んだ風が静かに吹き込んでいた。

 昨日片付けたばかりの室内は、まだ少し埃の匂いが残っているものの、作業場としての姿を見せ始めている。

 アルト、マーティン、ハリスの三人は、約束通り空き家に集まった。

「いよいよ試作ですね」

 アルトは緊張を隠せない声で言った。

「まずは基礎フレームから作る」

 マーティンが図面を広げ、淡々と説明する。

「よし、やるか」

 ハリスは腕をまくり、気合いを入れた。

 三人はそれぞれの持ち場につく。

 マーティンは代替素材を慎重に切り出し、

 アルトは材料を渡しながら補助に回り、

 ハリスは器具を固定し、火を扱う作業を担当する。

 金属を削る音が静かな空き家に響き、

 魔力計測器の微かな光が、作業台の上を淡く照らした。

 しかし、すぐに問題が浮かび上がる。

「……硬度が高い。想定より魔力が通りにくい」

 マーティンが眉をひそめる。

「どうすれば……?」

 アルトが不安そうに呟く。

「焦るな。まずは試してみよう」

 ハリスが落ち着いた声で励ました。

 マーティンは図面を見直し、回路の形を微調整する。

 再び素材に魔力を流し込みながら加工を試みると――

 今度は魔力が安定し、素材が綺麗に削れた。

「できた……!」

 アルトの目がぱっと輝く。

「これなら進められる」

 マーティンが静かに頷いた。

「よし、今日はここまでにするか」

 ハリスが声を上げる。

 窓から差し込む夕陽が作業場を金色に染め、

 削りかすが光を受けてきらりと輝いた。

 アルトは今日の作業をノートにまとめ、

 マーティンは次の工程を確認する。

「明日は関節部分の試作に入る」

 マーティンが宣言する。

「悪いが明日は就活だ」

 ハリスが苦笑いした。

「できることはこちらで最小限でもやる」

 マーティンは穏やかに笑う。

 この2人は仲がいいなぁとアルトは思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ