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13章 プロローグ

新章スタートです。

二巻行きます

私は―――花が好きだ。

可憐で儚くて、散っていく様さえ―――遺憾に美しい。


だから好きだ。

風に吹く姿。


波に揺れる優しい姿。

色鮮やかな色彩に身まれた多色。


その全てが好きで惹かれた。

愛おしかった。


美しかった。

だから綺麗だというのに……


そっと視線を落とす。

視線の先には何も広がっていない。


そもそもこの地には色さえ存在していない。

あるのはただ無機質な灰色だけ。


この地には雑草の一つさえ咲かない。

それが心の底から許しがたかった。


何故、花は咲かないのか。

その理由は―――


「お前達がいるからこの地には花が咲かない……」


音がした。

鈍い音が。


音のする方に視線を向ける。

そこには足を生やした生物がいる。


地面を抉るように足を引っかけ貪る無人の姿を一瞥する。

裂かれた地面に目を当て、目を窄めた。


やがて、ゆっくりとその瞳に無人を宿して、視線を切った。

あれがいる限り、この地に花が咲くことは一生無いだろう。


ならば、やるべきことはただ一つ


「花を咲かせるために……狩る」


そう言い残して、視線を切った少女は己の使命を果たすために動くのであった―――。

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