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勇者は何度でも蘇る。魔王は玉座の間から出られない。  作者: 竜太郎


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木立のあいだ

東の砦の外れで、兵ロアは木立のあいだに動く人影を見た。見張り台からは遠く、数を確かめるのが難しい。彼は鐘を一度だけ鳴らし、隊長レシュへ知らせた。

林の中から現れたのは、剣を持つ男と弓の少年だった。二人だけかと思ったが、しばらくして槍の女と荷を背負った男も続いた。四人は古い街道を歩き、砦の方へ目を向けた。

レシュは兵たちへ弓を下ろすよう示した。向こうはまだ攻撃していない。距離を保って動きを見る。そう決めていた。

しかし砦の外では、村の牛を連れた少年が立ち往生していた。牛が道を外れ、林へ入ってしまったのだ。少年は砦の門が閉まる前に帰ろうと、縄を強く引いている。

ロアが門から出ようとすると、レシュは待てと命じた。先に少年を呼ぶ。少年が気づかず、牛を追ってさらに林へ入れば危険が増す。

ベドは高い岩へ登り、角笛を吹いた。少年は振り返ったが、その音に驚いた牛が暴れ、縄が手から離れた。

見張り台の鐘は、遠くの村にもかすかに聞こえた。畑にいた老人が顔を上げ、息子へ作業をやめるよう手を振った。まだ危険の意味は伝わっていないが、いつもと違う鐘の鳴り方は覚えている。村の者は農具を置き、子供たちを家へ呼んだ。ロアはその動きを上から見て、一本の鐘がこんなに多くの人を動かすのだと初めて知った。

遠くから走って来る少女が見えた。腕には弟の小さな上着を抱えていた。畑に置いたままのものを取りに戻ったのだろう。見張り台のユリは少女が家の扉へ入るまで目を離さなかった。

四人組がこちらを見た。剣の男が一歩、林から道へ出た。ロアは槍を握りしめた。何をしようとしているのか分からないまま、砦の門と少年のあいだの距離だけが気になった。

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