祭りの絵
広場の祭りが終わると、七つの灯は一つずつ倉庫へ運ばれた。踊りを教えたメサは壊れた飾りを選り分け、来年直せるものだけ残した。年を越せば使える縄も、雨に濡れたままでは腐る。
小さな絵を持ってきたのは、広場で青い布を売っていた人間の染物商だった。魔王城の窓から見えなかった二つの灯も描いたという。絵には、灯の下で転んだ子供や、笑う父親の姿まで細かく描かれていた。
ダルムは絵を受け取り、謁見の間へ運んだ。ヴァルゼンは玉座から身を乗り出した。毎年の祭りだが、見られない場所の出来事は毎年違う。
「この子は誰だ」
「染物商の息子です。転んで青い布を汚したそうで」
魔王は笑った。絵の端では老女メサが杖を振り上げており、その下に楽師が目を丸くしている。
「メサは今年も厳しかったようだな」
「踊りの拍子を乱した者にだけは、誰よりも厳しい」
ダルムも笑った。しばらく東の森の話をしない時間が続いた。窓の外では雨が止み、石畳を掃く音がしている。
絵を受け取ったヴァルゼンは、扉の近くへ飾るよう頼んだ。城の者がいつでも見られる場所がよいと。
絵を描いた商人は、祭りのあいだに売れ残った青い布を少しだけ城へ寄付した。来年の川の灯に使ってほしいという。メサは礼を言い、代わりに町の古い踊りを教えた。商人は不器用で足を何度も踏み違えたが、最後には子供たちと同じ拍子で歩けた。別れ際、彼は人間の町でもこの踊りを伝えたいと話した。メサは振りを忘れないよう、紙に足跡を描いて渡した。
翌朝、掃除係の少年は絵の前で立ち止まり、自分が描かれていることに気づいた。青い布の端を持って走る、小さな姿だった。




