↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者は何度でも蘇る。魔王は玉座の間から出られない。  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/228

四人分の寝床

東の石窟の近くにある狩人小屋では、昨夜、人間の四人組が休んだ形跡が見つかった。使われた寝床は四つ。炉の灰は丁寧に集められ、棚にあった干し肉の代金として銀貨が一枚置かれていた。

持ち主の猟師ファロは銀貨を見つめた。小屋は長く無人だったが、立ち寄る者のために乾いた薪と食べ物を残している。代金を払う旅人は珍しい。破壊されたものはなかった。

「悪い連中には見えないな」

同行した村の男が言った。ファロは答えに迷った。礼儀正しい者が危険でないとは限らないし、無礼な者が敵とも限らない。四人のうちの一人が、城で三度死んだ人間と同じ顔を持つことを、村の男には伝えていない。

棚には畳んだ布があった。古傷を覆った包帯らしく、乾いた薬草の匂いがする。手に取ると、結び目に人間の文字で小さな印があった。

ファロは村の薬師に見せることにした。薬師は文字を読めなかったが、薬草を嗅いで、深い切り傷に使うものだと教えた。

斥候ネインはその報告を聞き、石窟の奥をもう一度見たいと申し出た。だが帰り道で、近くの道が崩れていることが分かった。雨で土が流れ、荷車が通れなくなっていた。

二人は小屋の板を借り、まず道を塞ぐ溝へ橋をかけた。見知らぬ四人を追うより、村へ戻る道を残すことが先だった。

村の薬師は包帯の結び目を見て、怪我人が自分で巻いたのではないと教えた。傷を負った者の腕が届きにくい位置に、ほどけにくい結び方がされている。誰かが手当てしたのだろう。ファロは四人が囲んだ火の跡を思い浮かべた。恐ろしい剣を持つ男にも、傷を見て布を巻く仲間がいる。そう考えても、父を失った石窟が怖いことには変わりがなかった。

夜、小屋の持ち主は銀貨を木箱へ入れた。もしまた旅人が来たら、今度は干し肉をもう一枚多く置いておこうと思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。