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勇者は何度でも蘇る。魔王は玉座の間から出られない。  作者: 竜太郎


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四人分の足跡

夜明け前、東の林で四人分の足跡が見つかった。斥候ネインは雪ではなく湿った土についた跡を見て、昨日の雨のあとに通ったと判断した。足跡は石壁ではなく南の古道へ向かっている。

猟師ファロは槍の石突きらしい小穴を見つけた。剣の男だけでなく、仲間もここにいたのかもしれない。ネインは足の向きと歩幅を比べたが、途中で別の旅人の跡と混じってしまった。

砦へ戻った報告に、隊長レシュは深く息をついた。これまで四人組は石壁の周辺で見られていた。南へ向かうなら、村の畑や倉庫に近づく可能性がある。

村長は避難を早めるべきだと訴えたが、収穫の終わっていない畑も多い。レシュは人々に期限を押しつけず、まず畑から石倉までの道を空けるよう頼んだ。

夕方、ロアは見張り台の上で古い靴跡を描き写した。勇者の足を見たわけではない。それでも紙の四つの形は、砦の兵たちを落ち着かなくさせるのに十分だった。

レシュは足跡の写しを兵舎の壁へ貼ったが、不安を煽るために使うなと念を押した。ロアは足の向きを説明する役を任され、自分でも分からない箇所を示した。新兵の一人が、たった四人なら包囲できるのではと言った。ベドは境界を越えられない場所での包囲がどう崩れるか地図で説明した。人の数だけでは距離を埋められない。

村の大人たちは足跡よりも収穫用の桶が足りないことを気にしていた。レシュはその声を無視せず、砦の空桶を二つ貸した。

ベドはロアへ、今夜は必ず交代で眠るよう言った。明日も足跡が見つかるとは限らない。まだ確かめるべきことは多く、夜をすべて不安で使い果たしてしまうわけにはいかなかった。

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