↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者は何度でも蘇る。魔王は玉座の間から出られない。  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
101/228

白い丘の客

西の白い丘へ、一人の人間の旅人が現れた。少女ミナは畑からその姿を見つけ、荷運びのカルへ知らせた。旅人は境界を知らないらしく、丘を真っすぐ下ってくる。カルは近づくことができず、手を振って止まるよう合図した。

旅人は中年の女で、行方不明の兄を探していた。人間なら丘を越えられるが、魔族の村人は向こうへ出られない。女は村に似顔絵を見せ、道を通ったことがないか尋ねた。

村長は知らないと答えたが、女を追い返さなかった。水を出し、旅人がたどった道を聞いた。似顔絵の男は髭が濃く、肩に古い傷があるという。勇者の特徴とは違った。

ミナは女へ、自分も丘の向こうを見てみたいと話した。女は驚き、ここに住んでいるのに一度も行ったことがないのかと問うた。ミナは頷き、行こうとすると脚が止まるのだと説明した。

女は試しにカルへ手を差し伸べた。しかし丘のある場所でカルの手は届かなくなり、女が一歩戻ると触れられた。女の顔から笑みが消え、境界の意味をようやく理解した。

女が地図を眺めていると、ミナの祖母は丘の向こうの天気を尋ねた。女はそちらでは朝に霜が降り、低い谷にはまだ緑が残っていると話した。村の者は季節が違うようだと驚いたが、山の陰が多ければ霜の降り方も違うと祖母は説明した。遠い土地のことを聞く機会は少ない。女は兄を探す手がかりを得られなかったが、茶の椀を両手で包んで話し続けた。

女は一晩村に泊まり、翌朝また兄を探して丘の向こうへ向かった。ミナは自分で描いた粗い地図を渡した。行けない場所まで詳しく描いたわけではないが、井戸と安全な道は示してあった。旅人は礼を言い、地図を胸にしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。